2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

参院岡山選挙区で民主候補が自民現職を破ったのは、何ら奇跡ではない。

片山虎之助自民党参議院幹事長が、民主党の新人姫井由美子候補に敗れた。 自民の前職相次ぎ落選、片山参院幹事長も 7/30日経 岡山で民主・姫井氏が初当選、自民・片山参院幹事長破る 7/30読売 自民党参院幹事長の片山氏が敗れる 岡山選挙区 7/30朝日 ただこ…

自民敗因は「官僚との癒着」

自民党の河野太郎議員による参院選敗戦分析。 最大の要因は、自民党が官僚との癒着を断ち切ってこなかったことによる政策の不安定さだろう。 負け惜しみのように聞こえるかもしれないが、この敗北には喜ぶべきこともある。参議院の過半数を野党が握り、野党…

共産党の基礎体力低下は予想以上

東京選挙区の定員増が決まったとき、これは共産党救済か?と思った。共産党は定数4で当選が厳しくなってきたが、5番目には入れると思った。これで落とすとは、相当組織が弱っていると見たほうがいい。 共産王国であった京都でも2位に大きく離され、当落争い…

保守王国に異変?

1人区での自民党惨敗を保守王国の地殻変動のような表現をマスコミはするが、これはおかしい。 保守的な地域はあくまでも保守的だ。それに民主党は革新政党なのか?実態は保守政党的な側面を多く備えた政党である。小沢一郎という強かな男は、保守地盤では保…

静かなるマドンナ

今回の参院選で女性候補の健闘が目立った。 かつて土井社会党ブームの時、マドンナブームという言葉がマスコミによって作られ、流行語大賞にもにもなった。ただ今回の女性候補の特徴は、男性の支持が非常に高いという点である。土井社会党は庶民派おばちゃん…

勝てる選挙を落とした大分

大分県は九州の中では自民党の組織が磐石とは言えない。野党が統一候補を立てれば今回必ず勝てた。野党が分裂したのは民主党のせいか社民党のせいか知らないが、少なくとも民主党の吉良州司議員の旗色は悪くなった。 この人は民主党の小沢側近で最近力を付け…

公明党の太田代表は辞任すべき

まあ国民政党ではないので、本当はどうでもいいのだが… 公明党は勝てる選挙区にしか候補者を立てない、選挙は必ず勝つという方針なので、まさか3議席も落とすとは…。 特に神奈川選挙区の松あきら候補者の落選は驚きだ。松あきらだったら創価学会票以外に無党…

東京選挙区 丸川珠代と保坂三蔵の共食い

最後の議席を自民党の新旧候補で争うとは何とも皮肉。ちょっと保坂三蔵が可哀相になった。この人はあんまりぱっとしない感じもするが、庶民派でけっこうリベラルで嫌いな政治家ではない。選挙にも行かない丸川珠代が当選するとは何ともバツが悪い。東京都議…

与党敗北民主躍進という結果になったのは?

話題になるのは年金問題、政治とカネの問題ではあるが、いろいろ外部問題があるような気がする。 小泉政治の矛盾と小泉政治修正への不満 反自民の民意自体が二つの矛盾した潮流がある。主流は小泉時代の地方軽視の構造改革へ不満が時間差になって今になって…

18年前の参院選

18年前の参院選と言えば、宇野内閣時代、自民党が36議席と惨敗した選挙だ。この選挙で1人で自民党は2勝しかできず、これを機に多くの議員が引退した。この時1人区で当選した社会党や連合参議院の候補は逆に6年後の選挙でほとんどが落選し、この時に自民党の…

農業問題 なぜ日本産農作物輸出で騒ぐ

確かに明るい話題だ。それ自体悪い話でない。でも、政治家の農業問題の演説の中で、なぜこの話題が大半を占めなければならないのか? アメリカ、カナダ、オーストラリア等、農産物輸出が重要な経済ファクターの国ならともかく、食料自給率が40%を切るわが国…

参院選は政権選択の選挙だと言ったり言わなかったり

与党議員の発言のブレが大きい。参院選を政権選択の選挙だと言ったり、言わなかったり。 7月前半までは「政権選択」とか「党首力の勝負だ」と言った発言が与党内に多かった。実は「政権選択」という命題を持ち出すと、通常与党有利になる。例え与党に不満が…

参院選の争点 農業問題

日本で農業問題が選挙の争点になったことがあったであろうか?どうせ農民は自民党支持にきまっているからと、野党はあまり農業問題に力を入れず、自民党も絶対浮気しない相手にはそれほど熱心な政策を施さなかった。 特に農業票の多い1人区では、自民党と民…

ようやく参院選予想

なぜ今回の参院選では当落予想をやらないのか?というご指摘を多くいただいている。個人的には候補者の個人力がモノを言う衆議院選挙の方が予想していて面白く、参院選はいまいち面白くない。 個人的にはどんなに所属政党が弱小であったり、支持率が低くても…

自民党の支持率低下と矛盾した民意(郵政選挙から今日まで)

小泉時代の郵政選挙から、今日まで自民党の支持率低下は二つの作用が潮流としてある。一つはネオリベラリズム支持の低下、もう一つが「古い自民党」の解体である。 郵政選挙は決して小泉改革の勝利ではない。あの時は改革を支持する主に都市部の有権者と農村…

田原総一朗が新手の安倍応援キャンペーンを開始

安倍シンパであることが半ば公然化している田原総一朗が、安倍自民党苦戦に思い余ってか、安倍応援キャンペーンを開始した。それは花田紀凱ほど露骨でなく、岸井成格ほど痒いものではないが、その旗色は鮮明である。 安倍政権の倒閣を企てた官僚たちの二重ク…

清和会内閣の弱さ

自民党は小泉時代に派閥均衡政治を捨て、清和会主導体制に大きく舵を切った。安倍内閣において17閣僚中清和会から5閣僚、古賀派から4閣僚を占め、かつての経世会、津島派からの入閣はなし。山崎派の1閣僚のみの入閣である。 このような人事の非均衡が小泉内…

右派ブログの政治離れと輸入食品問題

右派ブログは相変わらずブログランキングで上位を賑わしているようだが、あまり政治ネタが目だって少なくなっている。こんな状況で安倍マンセーをしても空しいだけなので止むを得ないのであろう。 右派ブログのホットなネタは「中国の輸入食品の安全性」の問…

財界の二重苦

財界にとって非常に嫌な政治状況になってきた。一つは自民党の敗北濃厚な参院選の状況だが、さらに深刻なのは自民党が財界寄りの政策そっちのけで有権者受けするリップサービスに走ったことである。 ホワイトカラーエグゼンプションも視野に、極めて財界寄り…

参院選が公示されて静まるブログ界

参院選が公示された瞬間。政治家のブログ更新が止まり、政治系ブログも公職選挙法への抵触を恐れてトーンダウンしてしまった。何とも異常な光景である。選挙直前になるとブログがつまらなくなるので、普段はあまり読まない2ちゃんねるで情報収集したりする。…

一聴の価値のあるフェミウヨの少子化議論

埼玉大学の長谷川三千子と言えば、著名な女性保守論客(フェミウヨ)である。彼女が正論に書いた少子化議論について一聴の価値があると思ったので紹介する。 【正論】長谷川三千子 少子化問題の重さを真剣に考える http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/colu…

教師を尊敬しない雰囲気を醸成した「保守主義者」の責任は重い。

別に日教組を批判するのは構わない。歴史的に見れば、戦後教育の問題の一旦を担ってきたのは確かだ。ただ直近起きている教育の諸問題は組織率30%以下になった日教組のせいにするのがムリがあり、もっと冷静な問題判断が必要だ。 ところが、どういう訳か、弱…

高給単純労働者が存在することは是か非か? その2

官民給与差、1.87倍の職種も 地方公務員技能職 総務省が、地方現業公務員の賃下げ勧告に動くようだ。 3ヵ月ほど前に「高給単純労働者が存在することは是か非か?」id:kechack:20070414 というエントリーを書いたが、どうも現業公務員の高賃金が面白くな…

権力内の売国奴に足を引っ張られて沈没する安倍政権

昔から閣僚の失言は珍しくないが、最近は世論がずいぶん甘くなったなぁと思っている。 柳沢厚労相の「生む機械」発言にしても、結局最後の方はネット世論は「野党が揚げ足取りをしている」という野党批判の方が優勢になり、安倍政権へのダメージは限定的であ…

マニフェスト以前に、日本の政治はまだまだ議論が足りない。

昨日の21世紀臨調主催の党首討論を見た。自民党と民主党の党首のみの参加ではあったが、マニフェストを叩き台に討論し合うという趣旨は非常に画期的であり興味深かった。 マニフェスト選挙は政策を競うものであるが、政策というのは基本的思想が異なり、完全…

宮崎哲弥 安倍政治を評価

私は1ヶ月程前に「強行採決すらポジティブに評価される時代」id:kechack:20070525 というエントリーを書いたが、ちょっとタイミングが悪かったなと自嘲していた。 その頃には、さすがに安倍内閣のイケイケ路線を評価する人が漸減していたからである。 ところ…

もしかして安倍晋三は天然なのでは?

もしかしたら天然なのではないか? 強かな官僚とグルの族議員たちによってすっかり骨抜きにされた法案を、側近(保守的価値観の復古に関して安倍晋三シンパであるが、反構造改革派の古い自民党的価値観の者)に「これで真の改革ができます」と信じ込まされ、鵜…