格差社会と少子化と鉄道

常磐線普通電車(中距離電車)におけるグリーン車サービス開始及び宇都宮線高崎線におけるグリーン車サービス拡大について
http://www.jreast.co.jp/press/2005_2/20060303.pdf

 恐らくJR東日本は、少子高齢化による乗客の減少を、首都圏の通勤客の客単価アップという戦略でしょう。当面は中距離電車へのグリーン車併結を進めて行くでしょうが、時期に近距離電車にもグリーン車を併結するようになるでしょう。中央線、京葉線がまず候補に挙がると思います。
 首都圏のサラリーマンはかなり高い役職の人でも、朝の地獄のような通勤ラッシュの中での通勤を余儀なくされております。大企業の重役はお抱え運転手やハイヤーで通勤しておりますが、それこそ重役出勤をするか、早朝出勤でもしなければ通勤時間が読めません。
 通勤時間帯にゆっくり座って通勤したいと思っているサラリーマンは多いでしょうが、JRの一部沿線に住まない限り、その選択肢すらないのです。
 通勤時間に1000円余計払ってでも座って通勤したいという需要が確実にあるにもかかわらず、鉄道会社はその需要に応じることができないでいます。(他の車両の混雑が激しくなってしまうためだが)。その利益機会損失が与える経済的損失は計り知れません*1またサラリーマンが通勤時に消耗する無駄なエネルギーも計り知れません。鉄道会社は私鉄も含めて通勤電車への特別車両の併結を検討すべきです。
 ちなみに「下流社会」で上流階級が集中していると言われた田園都市線沿線。高収入のサラリーマンが多く住んでいますが、彼らも通勤地獄を余儀なくされています。この沿線に限っては、10両編成中5両グリーン車でも需要があるかも知れません。渋谷−青葉台間の電車賃は260円ですが、1000円でも特別車両に乗りたいという人は多いでしょう。

*1:アメリカなら確実に需要があるのに投資しない、商品を出さないといった機会損失の罪は株主から徹底的に糾弾されます。