ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて

ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて (新潮新書)

ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて (新潮新書)

 雪のため飛行機の出発が40分遅れ、千歳空港と機内で読んだ本。
紀行文的なフィールドワーク。軽く読めるが内容はけっこう確りしている。
 現代日本の保守化との類似性と差異が理解できる。アメリカでは宗教や家族の絆の重視といった社会的価値観が選挙の対立軸になっている。この辺は日本も何となく後追いしている気もする。ポスト小泉争いや次の参院選辺りでは経済政策より内面の問題がクローズアップされてくるような気配を感じる。
 圧倒的に異なるのが「小さな政府」に対する考え方か?日本のそれは財政再建論の手段として矮小化されて認知されているに過ぎず、アメリカのように「政府の関与は小さいほどいい」といった思想はない。日本の新自由主義は形だけの真似事に過ぎない。