与党と野党で応報不平等は当然

 民主党の前原党首が結局退陣に追い込まれた。これについては色々な意見がある。そもそも永田メール問題がどれ程重大な責任があるのか?ということ自体の総括ができていないので、現段階では何ともいえない部分もあるが、対応の悪さから傷口を拡げたというのは否めない。もし自民党で同様の問題があったら、ここまで問題化しなかったであろう。
 与党の不祥事の場合は、野党の突き上げを喰らい、国会対策上閣僚や与党幹部を更迭するというケースが多いが、今回の民主党のケースの場合、与党による追及以上に民主党内の党内圧力が如何ともし難い状況になっておる点が特徴である。
 これは支持者の特性とも相関する。日本のように与野党が固定化する傾向が強い国では、与党支持者は現状を受け入れて、その中で自分を対応させて行こうという順応型人間が多く、野党支持者には現状の打破を願う人間が多くなる傾向が出る。それはイデオロギー以前の問題として顕れる傾向である。自民党支持者は自民党が不祥事を起こしても比較的温和に反応し、厳しい責任追求の声があまり上がらないのに対し、野党の支持者は厳しい声を上げる傾向がある*1。今回のケースでも民主党議員は地元で厳しい支持者の声を浴び、厳しい対応を党に要求する結果となっている。
 同じような不祥事でも、野党議員は与党議員より厳しい対応を迫られる。これは不平等でなくある意味必然である。民主党の中でもかつて自民党にいた鳩山由紀夫小沢一郎なぞはその辺の空気をまざまざと感じているはずである。
 ついでに言えば、自民党支持者ももっと冷酷になるべきである。小泉フィーバー以降に自民党支持を明確にした新しい自民党支持者は、与党支持者ではあるが社会改革志向が強いので、野党支持者と似た傾向を示すと期待していたのではあるが。耐震強度偽造問題BSE問題等では残念ながら旧来の保守層とあまり変わらない支持政党に甘い意見が目立ったのは残念であった。

*1:西村眞悟の支持者は甘々であるが……