会議のやり方ができていない安倍内閣

 日経新聞がかなり辛辣な社説を書いております

 槍玉に上がっているのは。「子守歌を歌い、赤ちゃんの瞳を見ながら授乳する」「食事中はテレビを消す」といった項目が並んでいた、規範意識、家族、地域教育再生をミッションとする第2分科会の議事である。
 このような大きなテーマを扱う場合は、まず現状分析をせねばならない。安倍内閣も最近のマスコミも多くの国民も、日本人の規範意識が低下している、家族が崩壊しているのを前提に話しているが、これは明らかな印象論である。
 特異な情報を流すマスメディアを鵜呑みにすれば、日本人の規範意識が低下し、家族が崩壊しているような印象をどうしても受けてしまうが、印象論で結論づける前に客観的なデータに基づいた冷静な分析が必要である。
 普通、会社の会議で印象論で意見を言ったら「バカ者」と糾弾されるが、マスコミや政治の世界というのは無責任な印象論がまかり通るのが不思議である。
 基本的に過去の日本人の規範意識が過剰に美化され、現在が意図的に低下していると宣伝されている可能性がある。データで見る限り、凶悪犯罪は減少しているし、これは印象論ではあるがゴミのポイ捨てや道で痰を吐く人などは昔のほうがはるかに多かったように思える。
 もちろん規範意識は高いことに越したことはないので、過去がどうであったに関わらずそれを向上させる努力はすべきだ。同時に過剰な規範意識に対しては拒否反応もある。恐らく私に限らず多くの人が規範意識への期待と同時に過剰な規範意識への拒否反応が内在していると思う。この辺個人差があるので、政府が線を引くのは本来的に難しく、国民の主体的な意識向上に任せるべきである。
 私なんかもっと単純に考えていて、マスコミを通じて「マナーを守る人が格好いい」という印象操作をすればそれだけで相当な効果があると思っているが。
 家族の崩壊は、まあ親殺し子殺しのニュースがこれだけ流されていればそう思うかも知れないが、あくまでニュースは特異な事象を取り上げるものと冷静になるべきである。また特異なニュースを見ても、最近の少年犯罪はステレオタイプの不良でなく、意外と裕福な家庭で問題なく育った子どもが加害者であったり、問題は複雑だ。素人の教育論者が説く教育方針を実施したところでこのような事件がなくなるとは思えない。
 家族の問題は数値化しにくく、現状把握が難しいが、安倍政権の取り巻き連中の言っている連中にこれだけは言っておく。

 (農業国から工業国、第3次産業への転換 地方から都市への人口移動)

 (職住分離、自営中心から会社中心へ、長時間労働の放置)

 (低賃金化、低所得家庭で専業主婦不可能に)
 下村博文山谷えり子もその辺は自覚すべきである。日本の今の家族体系を批判すれば、それは戦後自民党政治の大総括が必要だ。しかもどれも原因には自民党の大スポンサーの財界が絡んでる。彼らにはそこまでの覚悟があるのか?