候補者擁立法 意外とやる気のない人を選んだ方がいいのかも

 ちょっと古いニュースになるが、自民党愛知5区選出の木村隆秀氏が「自分は政治家に向いていない」と突然の引退宣言を行った。少し前にも参院選において、岐阜選挙区に優勢選挙で議席を失った藤井孝男氏が岐阜選挙区で立候補を表明。自民党に推薦を求めたところ、公認が予定されていた現職の大野つや子候補があっさり引退を表明してしまった。岐阜県自民党王国で、自民県連は2議席独占は可能と読んでいたのだが…。
 最近、自民党では「政治家に向いていない」等とあっさり引退する議員が少なくない。これはどうも、本人の意欲よりシコリなく地元の諸勢力が乗りやすい「収まりのいい」候補者が選ばれやすい。結果的にかつて地元で絶大な影響力を誇示していた有力政治家の子息が、本人の意思に関係なく選出されることが多い。
 世襲でなく、政治家を目指す人は勢い民主党に流れると前のエントリーでも述べたが、単純に自民党の候補者選出方が悪くて、民主党がいいとも言えないと様々な意見を聞いて考えるようになった。
 どうも「政治を目指す若者」という存在そのものが世間から嫌われているのではないか、というのである。民主党はこのような若者を公募し、積極的に候補者として擁立。このような候補者は既に旧自民党社会党民社党出身の議員を遥かに上回る人数になっている。一見、成功しているようだが、この政党が女性に支持されない現象を固定化していると言うのである。女性は民主党候補によく見られる「エリート臭さ」「ギラギラ感」が嫌いなのである。自民党で、政治になることを運命づけら達観して政治家になった候補者の方がマシに見えるのではないか?
 確かに女性芸能人でも子供の頃から劇団に入っていたり、オーディションを受けまくっているような「芸能界志向の強い子」は嫌われる。街でスカウトされたり、親類や友達が勝手に応募したオーディションでたまたまグランプリを取ってしまった子がウケる。特に同性のファンはそうだ。
 自民党も最近は民主党の真似をして、候補者公募みたいなことをやっているが、それは程々にして、意外と古典的な「収まりのいい候補」を探すパターンがいいのかも知れない。民主党は、「政治家になりたい人」の中から候補者を選ぶのはせいて半数程度にして、政治家になる気のない人を無理矢理口説き落とすような候補者選出も考えた方がいいのかも知れない。