1周遅れの自民党選対
11月25日に自民党の古賀選対委員長や最近の自民党の方向性が間違っているという指摘をした。
id:kechake:20071125
自民党の1年生議員。いわゆる小泉チルドレンの一人が私と全く同じ指摘をしている。
1年生議員に「民主党が正しい」「我が党は1年遅いんです」と言われるのも…ですが。
民主党戦略の正しさ
民主党の小沢代表は次の総選挙では、
都市部を重視する姿勢を明確にしました。
きわめて正当な選挙戦略です。参院選の選挙戦略は地方重視、
衆院選の選挙戦略は都市重視、というのが理に適います。1.参院選で地方重視の理由
(理由1)1票の格差は地方に有利
衆議院の1票の格差は約2倍、
参議院の1票の格差は約5倍です。
参院選は1票の格差が大きく、
地方の1票は都市の1票よりも、
最大で5倍の価値があります。
*この格差自体、大きな問題ですが、ここでは触れません。(理由2)勝敗を分ける1人区は地方
参議院の2人区は自民と民主で仲良く分け合い、
ほとんど無風の選挙といっていいでしょう。
参議院の3人区や5人区も確実に与党で1議席は取れます。
従って、参議院の1人区が勝敗を分けるポイントとなり、
参議院の1人区はすべて地方にあります。2.衆院選で都市重視の理由
(理由1)1票の格差は少ないので人口の多い都市が重要。参院選の逆です。
(理由2)参院選の1人区、2人区、3人区といった差異がないので、
衆院選では単純に議席数の多い都市部がより重要になります。民主党は正しい選挙戦略をとりつつあるのに、
わが党はいまさら地方重視の選挙戦略をとり始めました。1年遅いんです。もちろん疲弊した地方を何とかしなくてはいけませんが、
見えすいた選挙対策の公共事業のバラマキは都市部でマイナスです。地方と中央との格差是正は、目先の利益にしかならないバラマキより、
地方分権のさらなる推進がもっとも効果的だと思います。
利益誘導で地方票をとるという姑息な戦略を捨てて、
霞が関の中央省庁の抵抗を排除してでも、思い切った地方分権を進めるのが、
地方との格差対策としてはまっとうだと思います。
私も、参院選と衆院選は狙うところが違うと指摘しましたが、言わずもがな小沢一郎はそんなの最初から理解しているようです。
自民党の山内議員が言うまでもなく、参院選で地域間格差是正のための明確なメッセージを打ち出せず、参院選に敗北した後、来るべき衆院選を前にして地方に公共事業のバラマキリップサービスを始めるというのは、余りにもピントがずれるとしか言いようがない。
ただ都市部対策と言っても、都市部の意識は小泉フィーバーの時の改革マンセー一辺倒である訳ではない。その辺の空気をしっかり掴めるか?その辺は「都市部重視」を打ち出している民主党とて勝算がある訳ではない。
当然、自民党の都市部選出議員も、小泉郵政選挙と同じ選挙トークは使えない。