なぜ20代の若者は自民党を支持するのか。

 で最近の選挙で常に自民党や与党系候補を支持する傾向の強い20代をキモいとコメントしたら、さすがにお叱りを受けた。確かに今回の補選でも他の世代より自民党候補への投票が多かっただけで数の上では、50%に満たないわわけだし、誰に投票しようと、どの政党に投票しようが、それを批判してはいけないことだ。不適切な発言えあったとこの場を借りて謝罪したい。
 お叱りをいただいた、id:synonymous さん曰く「20代は小泉旋風の中で自己を確立したから、その中でも政治意識が強い層で自民党支持が強いのもわかる気がする。」と言っている。私は始めて選挙権を得た時の選挙が宮沢内閣が崩壊し細川政権が樹立した時の選挙で、自民党政権が音を立ててくずれた瞬間に強烈な快感を享受して、未だに自民党政治を終わらすことが是であるという神話を信じているフシがある。始めての選挙のインプレッションは強烈である。郵政選挙で小泉自民党が圧勝するシーンを強烈に快感と感じた世代は、それを暫く引きずるのは理解できるし、自民党がすっかり小泉時代から変質してしまっても、なかなか期待を捨てきれないというのも理解できる。
 20代が自民党或いは与党系候補者を支持する理由として他に2つの仮説がある、一つはいわゆる失われた世代の反団塊・反労組・反サヨク・反民主党感情である。これは昨日の朝生ネタでも触れた通り、田原総一朗の常套の煽り文句として知られる。団塊世代既得権益を保持している煽りを若者が受け、それに労働組合が加担し、その支持を受けているのが民主党だというお話だ。
私も20代の頃はネオリベ被れで、働かない中高年社員はどんどんリストラしろと思っていたので気持ちはわからなくもない。ただ私が20代の頃は自民党より新自由主義色の強い野党が存在し、ちょうど自民党新自由主義のボールが渡った頃には、新自由主義に疑問を持つようになっていたので、たまたま自民党支持にならなかったが、もう少し醒めるのが遅ければ私も自民党支持者になっていたかも知れない。確かに初期の小泉政治には私も親和的だったが、候補者がたまたま土建屋丸出しで酷かったので自民党には入れなかったという経験がある。
 ただどうであろう。新自由主義は中高年を苛めてくれるのでせいせいはするが、決して若者にチャンスを与えてくれる訳ではないことに、ほとんどの人が気づいているのではないか?それに公務員や団塊の世代を悪者に仕立て上げて、弱者の不満の矛先を向けさせることにより、本当の既得権者を守る。つまり下層民の不満を中間層に向けさせ、上流階級は雲の上で胡坐をかくという為政者の嫌らしさに多くの人が気づいている。
それに今の自民党小泉時代とはすっかり性格がかわって、守旧派が闊歩する既得権益を代表する政党に先祖帰りしている。今の自民党を支持する理由として、上記の説明はもはや不適切である。それでもなお自民党を支持する若者が多いのは、先述した小泉時代の遺産か、後述する理由が考えられる。
ただ時たま、大阪府橋下知事のような小泉時代の幻影のような候補者が出てくると、若者の支持は一点に集まる。この辺は留意した方がいい。
 もう一つは、なんやかんや依存する先がある人が自民党を支持するという説である。つまり就職しても親から小遣いをもらっている人。扶養されることに慣れきった専業主婦、子供に扶養されている高齢者などで自民党の支持率が高いという説である。確かに就職しても親から小遣いをもらっている人も多い20代で極めて自民党支持が高かったり、高齢者で自民党支持が高いというのはその通りなのだが、専業主婦よりキャリア志向の女性で自民党支持が強いという調査もあり、この辺はやや疑問のある仮説である。