自民党が世襲議員の立候補に制限を設けるのを止めることは批判するに値しない

 新聞は、自民党世襲議員の立候補に制限を設けるのを止めたことに対して批判の論陣を張っている。
【主張】世襲制限見送り 自民党の自浄努力どこへ 6/8産経

自民党世襲制限 身を削る改革はどうした 6/9西日本
 
私は別に自民党世襲議員の立候補に制限を設けるのを止めたのは別にいいと思っている。それは世襲が悪だみたいな単純世論に反発している訳ではない。
そもそも世襲議員を制限しようという話は、自民党世襲議員ばかりになってひ弱になった。或いは自民党の選挙区が世襲議員でほとんど埋まってしまい、政治家を目指す若い頭脳がほとんど民主党に流れてしまっているという危機感に対して生まれたもの。
つまり国民にとってプラスになるから世襲を制限をしようというのではなく、自民党の体質改善のための施策なのだ。私なんかは自民党なんて滅んでなくなってしまえと思っている*1ので、このまま世襲を続けてどんどん劣化してもらって構わない。だから自民党世襲制限を公約に入れるのを止めるのことにとやかく言う気がないのだ。
自民党の再生を願う人たちが、むしろ積極的に世襲制限を後押しして、今回公約から外した自民党執行部を批判すべきではなかろうか。その意味で日刊紙で唯一この件で批判の社説を張った産経新聞の立場は理解できる。

*1:もちろん政権交代が起きたら、民主党に対峙する政党が必要。ただそれは自民党ではなく今後新たに生まれる党のような気がしている。