足止め作戦

 30日の投票日に向けて、選挙戦の前哨戦が既に始まっている。候補者は選挙区内を駆けずり回っているかと言えば必ずしもそうとは限らない。昔から大物と言われる政治家は選挙期間中も自分の選挙区には帰らず、応援演説に駆け回るのである。
 その様子がどうも一変しているようだ。自民党では派閥の領袖から現役大臣、党三役ですら自分の選挙で手一杯のケースが多く、派閥の領袖で安泰なのは二階、高村、総理と官房長官を除く大臣では石破農水相、金子国交相、小渕千葉県農村部選出の浜田、林、森の3大臣、あとは甘利、小渕くらい。党三役でも笹川総務会長は危ない。
 あと応援に回れるのは参議院の舛添大臣やヤンキー先生や丸山弁護士や橋本聖子といった参議院議員がフル回転するしかない。丸川珠代は夫の選挙に付きっきりでとても全国を回る余裕はない。
 本来なら切込み隊長として投入されるはずの小池百合子ですら、小林興起民主党比例区に回ることになり安泰でなくなったために動けなくなった。民主党の江端候補ではまた小池百合子は倒せないが、少なくとも自分の選挙区に張り付かざるを得なくなった。これを貼り付け作戦というが、小沢一郎の戦術であろう。
 すでに古賀誠のところで、実弾での足止めに成功
 郵政選挙の時も、自民党民主党野田佳彦議員の千葉4区に有力議員を立てて足止め作戦を狙っていた。前回の選挙で、民主党は党幹部や有力議員でさえも自分の選挙が危うく、選挙区を回れる議員はほとんどいなかったのだが、とどめを刺そうという魂胆も、そこまでやらなくても勝てるというので実行しなかったようだ。
 今回苦しいのは自民党。選挙経験の乏しい小泉チルドレンも、ほとんどの日は応援演説に誰も来てもらえず、孤軍奮闘するしかない。