ブロガーと民主党政権〜政権交代以降ブログを書く気がしなくなった理由〜

 第3次野田内閣が発足したが、まったく関心が沸かない。それより、そろそろ民主党政権が終わりなので、しがない1ブロガーとして民主党政権時代を振り返ってみたい。
正直私は政権交代後、ブログの更新頻度が低下した。正直言って民主党政権は面白みがなく、何を書いていいかわからない、書こうと思ってもしっくりくるものが書けないのである。
 もちろんブロガーの多くが民主党を取り上げて批判しているが、しっくり来るのはなかなかない。
 民主党を右側から批判している言説は、55年体制時代の保守派による革新批判のテンプレをそのまま流用しているみたいな言説が多く、違和感以前にまったく読む気が起きないものが多かった。鳩山・菅時代ならともかく野田政権にサヨクレッテルを貼るのは無理があり過ぎる。結局、今目の前で行われている政治を丁寧に分析する作業をせずに、昔ながらのテンプレでお茶を濁す「知的怠慢」に陥っているとしか思えない。
 民主党を左側から批判している言説は、民主党を第2自民党的に扱い、自民党政治を批判していた時代のテンプレをそのまま利用しているものが多い。それはそれで知的怠慢なところもあるが、実はこちらの方が結構しっくり来るものが多い。ただ、普天間基地の県外移設や脱原発など、政治家がエイヤと決断すれば片付くぐらいの軽い認識で批判している気がして、その辺が腑に落ちない。最初から違う政策や、政治課題を重要視しないで着手しないケースの批判は簡単だが、やろうとして様々な圧力に遭ったり、付随する諸問題が解決できすに問題解決が頓挫した場合、「こうやればできたのに、やり方が間違ったから失敗した」というところまで突っ込んで批判できている人がほとんどいない。
 「ブロガーが民主党を上手に批判できていない」というのも面白いテーマになると思ったが、上手に書かないと「民主党を批判するな」というメッセージになり、民主党の応援団ではないかと言われるのも癪で書くのを止めた。
 そもそも民主党がダメなのは、政策がブレるからなのは間違いないが、「ブレ」批判というのも面白くない。たとえば、沖縄の基地問題はマスコミは「ブレ」批判に終始したが、それは逃げである。朝日や毎日は沖縄県民にもいい顔をしたいし、日米安保も重視したいので、自分たちの意見を表明せずに鳩山総理のブレ批判に終始した。これも「知的怠慢」の一種だと思う。そもそもマスコミのブレ批判は麻生政権時代に花盛りでしたっけ?
 それでも試しに、自分がしっくり来ないブログの数々を反面教師に書こうと試みた。


そうするとどうしても内容が複雑になる。私は自民党を扱う場合も、単純に左側から批判するような言説に乗るのも癪なので、保守の中にもいろいろな考えがあって、保守同士が対立しているような内容を書くことが多かったが、そこまで複雑にはならなかった。
 いっそのこと、民主党政権という存在を無視して、民主党を右側から批判している勢力の意見と、民主党を左側から批判している意見を比較した方がよほど真実を追究できる。例えば脱原発派とは、未来永劫原子力を国の機関エネルギーとすべきという意見を対峙させる。中途半端な政策で、しかも政策がブレる民主党政権の存在は邪魔ですらある。
 しかしここでも釈然としないものがある。本当に白黒はっきりするスタンス、政策がいいのか。実は保守政党と言われている自民党でも、足して二で割るような政策決定をすることが多く、マスコミや有識者から「玉虫色」と批判されてきた。民主党政権は玉虫では自民党の上を行き、その辺が民主党が右からも左からも批判されて、結局誰からも支持されない状態で支持率を下げほぼ下野決定的という状況に陥っているのであるが、本当に中道的な政策が悪なのかというところも悶々としている。
 最初からブレずにきれいに調合された政策を出せば、有権者に支持され得る中道もあるのではと考えながら、3年が過ぎてしまった。間もなく自民党政権が復活し、私も自然にネタも湧き出てきてやりやすいのでモチベーションも上がるのではあるが、民主党政権をスルーしてしたという点で知的怠慢を犯して、わかりやすい自民党政権に逃げている昨今を自省せねばならない。