眉唾モノの「学校週6日制期待」


 政治家も嘘を付くが、国民もよく嘘を付く。この世論調査もかなり嘘をついている人が多いと疑った方がいい。学力向上なんてのはお題目で、ホンネは子どもの学校滞在時間を増やして親がラクをしたいのではないか?
 まず学校の完全週休二日制の導入により、夏休みや短縮授業が縮小したり、学校行事が縮小され、授業時間はそれほど減っていない。また教育熱心な親は小学4年生くらいから子どもを塾に行かせる。中学受験では塾での勉強だけが勝負で、学校で習う授業はほとんど役に立たない。学校に行く時間が増えることは受験にはマイナスであり、教育熱心な親はむしろ土曜授業などには反対のはずだ。
 本気で学校の授業に期待しているのは、塾のあまりない地方の教育熱心な親であろうか。そのような人が50%以上いるとも思えない。
 仮に親が楽をしたいというのがホンネであったとして、それはそれで解らなくはない。昔は土曜の午前中は夫婦だけで時間を過ごせる貴重な時間で、新婚時代のように夫婦二人で土曜日の午前中を過ごす人も少なくなかった。その時間が学校の完全週休二日制で奪われたという不満はよく聞く。
 ただその不満を解消するために多額の教育予算の増額が必要となる土曜授業を復活させるというバカな話はない。親もバカな話が通じる訳ないことぐらい理解しているので、「学力向上」など都合のいいお題目を利用しているだけではないか。
 マスコミは政治家も嘘を見抜き伝えることも重要であるが、国民の嘘も見抜く度量が必要でないか。今回は、何か現状を変えたということで成果をアピールしたい政治家と、ラクをしたい親との共犯関係が存在し、より一層マスコミの見抜く力が試される。しかしながら読売新聞はいつも、成果をアピールしたい政治家の提灯持ちをやってしまう訳で、その役割は全く期待できない。今回のアンケートも提灯に火をつける目的なのかも知れない。