日中問題考察
中国を批判するのは良いが、知らぬ間に日本が不利な状況に追い込まれていることに気付かなければならない。
経済的には日本が不利な構造
中国からの輸入は、日本企業の現地工場からのもであったり、生産委託のような開発輸入の形態が多い。中国ブランドはまだ胎動したばかりで、日本市場での影響力はまだまだだ。両国の関係が悪化して日本の企業は困るが、中国の企業が困るケースは余りない。
また中国は世界最大の市場を開放することにより、強い発言力を保っている。中国市場での利益を前にどの企業もよだれを垂らしており、多少手荒なことをやっても外国からの投資は減らないとの強気の態度に出ることが出来る。*1
中国の文化的未成熟の露呈したが、日本の戦後処理が未解決であることも宣伝されている
中国にとって汚点であるとは事実だが、反日運動が自らも汚れながら相手も汚している自爆テロであることを見逃してはいけない。
アメリカの報道は中国より日本に好意的ではあるが、それを以って中国のほうが損をしていると安心してはいけない。アメリカはかつて中国で熾烈な反米活動に遭っており、中国人の愛国心に対する警戒心が特に強い。また日本に対しては原子爆弾を投下したこともあり、免責の念がある。ところが、西欧諸国はそこまで日本に理解がある訳ではなく、戦前日本をほとんどナチス・ドイツと同列ぐらいに理解している。ナチスと言えば西欧では今でも1mmの美化も許されない存在であり、日本人が戦前を少しでも肯定する行為が、ネオナチと同じくらい嫌悪感を持たれる可能性がある*2。あまり日本の保守的言動が世界に流れると、常任理事国入りの支持の障害になりかねない。実は日本もかなり泥を塗られているのである。
両者の応酬に幕を引くのは、両国の利益、とりわけ日本の利益である。
今般的な解決は難しいが、一番簡単なのは喧嘩と同じで「相手の挑発にのらず無視する」「いちいち腹を立てない」ことなのである。中国で働く日本人の方々には酷だが、逆境の中でも着々とビジネスを成功させれば、落ちこぼれのチャイニーズは別として、知識階級の中国人はそのバイタリティー感心するであろう。