20代の政治意識 朝日新聞の安倍内閣支持率急落報道

 朝日新聞らしい報道。着眼点はいいが、喜ぶべき内容なのか?安倍首相の中国・韓国訪問以降20代の支持率が落ちているということは、20代は親特ア政策を支持していないということではないか?
 結果的に「左側」の方々がこれまで小泉政治とそれを支持する若者を一括りに「右傾化」と単純化する誤った解釈をする言論が目立っていたので、安倍政権と若者の支持の動きがその単純化の誤りを露呈した形となった。
 結論から言えば、若者にうけるのは軍備重視、中韓への強硬論それと新自由主義だけなのである。伝統的家族感や伝統的倫理観という部分の保守主義は若者にはうけない。小泉は若者受けする部分をうまくピックアップしたカフェテリア型保守主義であったのに対し、安倍総理は対中韓強硬論を緩め、教育や倫理的なベタな保守主義を前面に出したので若者ウケしないのも当然である。*1
 右側の人たちも、若者の動向に対する誤った認識が目立つ。自民党稲田朋美衆議院議員などは、彼女のタカ派的発言が若者に支持されているのも拘らず、彼女自身は若者を厳しく鍛えるべき対象としか見做していない。また彼女をはじめ旧来型保守層の発する伝統的家族感やを是とするような発言には、若者はそっぽを向く。
 右傾化した若者は親が年老いたら自分は介護すべき等とは思っていないし、女性は結婚したら仕事を辞めて家庭に入るべきだとも思っていないし、有害コミック規制等にも反対の立場の人が多い。旧世代の保守主義者とはかなり異質な存在なのである。この層が将来日本の政治にどのような影響を与えてゆくのか、良くも悪くも注視すべきであろう。

*1:若者ウケする政治なんて最悪な政治なので、若者ウケなどしない方がいいのではあるが