後だしジャンケンの環境ロジックでは誰も信用しない

 道路特定財源暫定税率の話が、急に「環境」の話に摩り替えられてきたいる。

ガソリン代を高くすれば、自動車利用が控えられガソリン消費が抑えられる可能性はあるが、その税収で何万kmも作れば、新たな自動車移動需要が創出され、環境対策になるというロジックはナンセンスだ。
 もちろん、暫定税率の引き下げをせずに、その分で炭素税を創設して、道路建設の費用を環境対策費に回せという意見もある。社民党などはどのような意見だ。それなならば名実ともに環境対策になるかも知れない。
 ただ自民党が急に「環境」と言い出すのは違和感がある。
 与党は昨年の与党税制改正大綱で環境省が求めていた環境税の創設を見送ったばかりだ。

http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2005/seisaku-018.html

http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=6651

環境税によるコストが入ってない製品と環境税によるコストが上乗せされている製品が市場で戦わなければならないから、これはアンフェアです。



 経済界や経済産業省が反対したからである。これには本当に失望した。
 自民党の名誉のために補足するが、いちおう自民党の環境部会では環境税創設を求めていたし、環境税導入を支持する議員も多い。しかし結局はアメリカ共和党と同じで、財界がスポンサーである以上、財界に迎合した政策に落ち着くのがこの政党の実態である。
 欧州では保守政党も環境対策に熱心で、企業も率先して環境対策に取り組んでいる中、企業業績や経済成長にマイナスだといったロジックが幅を利かす日米は恥を知るべきである。
 こんな状態で、暫定税率の延長がやばくなると、急に「環境」と騒ぎ立てても、有権者は口八丁としか思わないであろう。本気で環境問題を重視するのであれば、「あの税制改正大綱は誤りであった」と謝罪した上で、大綱を修正すべきである。