負のスパイラルから脱出できない麻生総理

 麻生総理は完全に負のスパイラルに陥っている。


 何かやろうとする → 党内で反対に遭い頓挫 → 求心力低下を露呈 → 別のパフォーマンスを考える →


 困ったことに、何か成果を誇示するために花火を打ち上げたい麻生総理に入れ知恵しようとする連中がボンクラばかり。
 厚労省分割の発案はナベツネであったが、これは見事に党内の反対に遭い頓挫。求心力低下を印象付けただけで百害あって一利なしであった。
 自民党執行部人事もそう。これは安倍元総理の入れ知恵であるが、これも党内の反対で頓挫しそうだ。
 小泉政権以降、自民党は派閥が弱体化し、総理総裁への権力集中が進んだが、総理総裁に求心力がない場合には、まったく機能しない組織になってしまった。何かやればすぐに党内でバラバラ反対意見が出てすぐに頓挫してしまう。ほぼ全員が賛成するような施策などは報道の対象にもならないので成果にならない。成果になる施策というのは大抵、自民党内に根強い反対派がいる問題が常である。
 こういった反対派を自らの支持率向上のために利用して、反対派潰しの三文芝居を繰り広げたのが小泉劇場であったが、麻生総理にはそれができる力がない。

 また都合が悪くなるとなかった話にするのも白々しくて印象が悪い。「厚労省を分割すべきなんて私は行った覚えがない」「党三役を代えたほうがいい等とは言っていない」とやろうとしたことが頓挫するとわざとらしく言って、マスコミを攻める。
 そもそも自分がやろうとしている施策をわざと漏らして、マスコミの話題を独占して、支持率向上策に利用しようとしていたはずなのに、あとから批判するには見苦しい。
 最近では古賀選対委員長が、「東国原知事比例東京ブロック1位という話はしていない」とのたまわっている。古賀氏だって東国原擁立をリークしてマスコミの話題を独占しようという魂胆だったのだろうが、意外に評判が良くないので慌てて「そんな話はしてない」と言い出しているだけであろう。見苦しい限りである。