朝まで生テレビ〜少子化問題〜

 結論から言うと、一人の女性が産む子供の数の問題ではなく、結婚できなっているのが問題だ。また子供の教育云々ついでにゆとり教育批判というのは末梢な議論で、本質的には社会の二極化による敗者の増加が原因だと思う。
 しかし末梢な議論に捉われ過ぎて、これ以上議論が深まらなかったのが残念。長田百合子みたいなニート対策のカウンセラーとか中途半端なパネラーを呼ぶから議論が各論に入ってしまう。別の機会に「二極化する社会にどう対応するか」というテーマで的を絞って議論してもらいたい。
 これについては田原総一郎の言う「新自由主義で行くのか、社民主義なのか?」今度の機会でやりたいと言っていたが、ぜひ期待したい。純粋な社民主義は破綻するし、極端な新自由主義はリスクが高いので、二者択一の問題ではないという結論は見えていているが、完全な社民主義を信奉する人間は絶滅しつつあっても、未だに新自由主義推進者が蔓延しているのが日本の現状である。新自由主義はどこまで取り入れて、どこから先は補正するのかというのが本来なら今の政治のテーマになるべきなのである。この議論の過程において、現在の表層的な問題である「少子化」の問題や「治安」や「教育」の問題すべてが包括されるのである。 

精彩を欠いた八木秀次

 今回のパネラーのうち男性はわずか4名。勝谷誠彦新自由主義には懐疑的な保守。松原聡は新自由主義者森永卓郎はリベラルな論調である。八木秀次は保守の論客であるが、新自由主義とどう付き合うのか立場が不明である。心の問題でなんでも解決できるといった空想的保守主義者のような印象で、現実的な問題に直面した時の説得力に欠ける。

日本の右派は左翼への逆追随から目を覚ませ

 日本の右派はどうも左翼に逆追随している気がしてならない。先週の日曜討論中曽根康弘がはっきり言っていたが、国鉄改革が左翼潰しの意味もあったと。この時に日本の右派の多くが新自由主義に傾倒したのである。アメリカのブッシュ政権下でキリスト教保守派が新自由主義者と結託した状況に似ている。日本の右派には、左翼の反対意見さえ言ってればいいという安易な逆追随姿勢から目を覚ましてもらって、新自由主義が日本の文化・伝統に合うものなのか、社民主義は敵視すべき存在なのか、ゆっくり考えて戴きたい。