負け犬愛国―先進国における愛国主義―

 私は愛国心というもの自体にアレルギーはなく、健全な愛国心はむしろ必要だと考えており、愛国心をタブーにしてきた戦後日本の病癖から開放されるべき時であると考える。しかし外国の悪口を言えば愛国みたいな極めて低レベルな愛国心が蔓延し、健全な愛国心の萌芽が見られないばかりか、議論にさえなっていない。
 「愛国心はならずものの最後の逃げ場」と18世紀イギリスの文豪サミュエル・ジョンソンが喝破しているが、愛国心は常にならずものに汚されてきた歴史がある、特に先進国においてはどうだ。