経済制裁論

 世論は「北朝鮮へ一刻も早い経済制裁を」の一点張り。ほんとにそれでいいのか?
何のために経済制裁するのか、まともに考えている人はそれだけいるのか?
 その中で、蓮池透氏の「場当たり的な経済制裁をして、北朝鮮とのチャンネルがなくなって時間がたつことは耐えられない」との指摘は的を得いている。
 政権崩壊まで持っていくという強い決意で戦争も辞さない覚悟があれば別だが、場当たり的な経済制裁は本来の目的であった「拉致被害者救出」という目的に対しては有効でないのは明らかである。経済制裁は周辺国が協調して行ってこそ初めて効果が出るのである。残念ながら中国や韓国は対話路線だし、アメリカでさえ一定の理解は示しつつも早急な対応には釘を差している。
 「感情論」というのは交渉術においては最もレベルの低いものだが、高名な評論家や政治家も総白痴化してしまったのだろうか?
 子供の考える力が落ちていると嘆く前に、自らの考える力を省みる必要があるのではないか?