呉儀副首相会談キャンセル余波

ちょっと呉儀副首相会談キャンセル以降、日本国内の世論が冷静さを欠いておかしくなっているので一石を投じたいと思います。ちょっとブログで情報収集!Blog-Headlineから拝借して、いちゃもんを付けさせていただきます。

付加的戯言:発展途上国「中国」の副首相ドタキャン
相変わらず無礼な国です。こんな国に日本の新幹線技術とODAをくれてやる必要なん
てどこにもない!
日本政府は日本国民の声と怒りを聞け!
http://fuka.at.webry.info/200505/article_34.html

 ちなみに新幹線技術を中国にあげるなんてそんなお人よしじゃないですよ。日本は。まあ日本が新幹線を受注する際は経済的支援もセットになるだろうけど。そんなものは一時的な支出で、その後の延伸計画でもすべて最初の技術か基本となるから、利益ははかり知れない。
 中国がそのうち新幹線を国産化に踏み切って、技術を横取りするなんて心配しているのかも知れないけど、車両のアッセンブリー国産化できても、部品を国産化するのは一部しか無理です。話は長くなるのでこのぐらいにしますが。日本の商社やメーカーはきちんと計算づくで考えてますよ。バカなのは政治家だけ。
 中国に対するODAもなにかと批判の対象になるけど、すでに無償のODAは僅かだし、建前上環境や人道的支援に限って中国に対してODAを続けしかもひも付きODAでないことになっていますが実態は日本企業が得意なことに集中して援助しており、実態は日本企業の利権があって続いているのです。まあタダじゃないし、日本企業が儲かるんだからいいんじゃない?中国が得することは全部面白くないなんて言い出したら、選択肢なくなるからね。
>日本政府は日本国民の声と怒りを聞け!
→私の一番嫌いなパターン登場!
 国民の感情論を聞く態度ってのは昔はサヨク政治家の専売特許で、被害者の代弁者の如く政府批判なんかを繰り広げたのですが、最近のウヨク政治家はサヨクの真似をするんですよね。昔の保守政治というのは感情論に流されない冷徹さが良くも悪くもあったのですが、最近の国民感情にずるずる流される政治というのは政策の選択肢を狭めるだけで、何の得もないと思います。
 「国民の怒りを聞く」政治家は「偽善」か「選挙対策」と疑ったほうが良く、政治的行動としては二流です。

Monologue: 中国との問題、じゃない
引くことでどんだけ日本っていう国の国際的地位が向上するか。オノレはまずは損得勘
定でモノを考えろ。
http://kingo-ganbo.way-nifty.com/monologue/2005/05/post_e41f.html

 私の意見に近いコラムです。感情的反発という子供じみた意見を丸出しにする人が多いなか、こういう意見を見ると安心します。関西の方のようで、こういう時に冷静に損得勘定のできる度量が必要です。

*「株で住宅ローン返済を目論んでいる男」の奮闘日記: 5月24日(朝刊)
ますます、中国は信頼されない国となってしまった。ODAは中止してはどうか、中止すべ
き時期が来ている。
http://kabubinnbou.cocolog-nifty.com/blog/2005/05/post_4e52.html

 これもそう。中国へのODAといのがシンボライズされてしまって、内容を調べないでただ批判だけする人が多いね。もちろんやめたって構わないんだけど。止めること自体が日本の保守派のマスターベーションにしかならないのでは?
 ODAは日本の都合で続いている訳で、中国にしても貰った方が得なだけで、止められてもそんなに困らないない。少なくともODA止めるってのは中国に対しての外交カードにはならないのは確か。
 中国へのODAについては良く調べもしないで話をする人が多すぎ。
↓のブログはわかりやすいので読むといいと思う。
http://d.hatena.ne.jp/kwgkeiko/20050531

*Latest News: 会いたいけど会わない!女と男の恋のかけひき?
お互い嫌いと言っておきながら、ほんとはもっと近づきたいけど、無理に距離をおいた
り。外交とはひょっとして
http://new.269g.net/article/290218.html

 確かに外交は恋の駆け引きに似ているかも。
強く自国の意見を主張しろ!とか妥協するなっ!っていう言い分は恋愛じゃなくてマスターベーションレベルの外交ですね。童貞外交とでも名付けましょうか?

*captain: 今日の日記-05/05/24
外交儀礼も無視し他国に内政干渉、恫喝外交、技術と資金はよこせってか、いつまで掠
め取っていくんだか、
http://uminosoko0110.tea-nifty.com/captain/2005/05/050524_9167.html

 これも痛いな!
何度も言うけど、日本はそんなお人よしじゃないですよ。
 それに中国は技術よこせとか資金よこせなんて言ってない。世界中の企業が中国に進出して中国での基盤を作りたがっている。(それは世界最大の市場になるのが明らかだから)だからよりよい条件を出して他に有利になるように技術や資金を供出しているのである。
 中国が恫喝なんかしなくたって自動的に集まる仕組みができてるんですな。日本の企業だってバカじゃないから勝算あって技術援助してる訳ですよ。既に日本が情けないとかどういうレベルの話でないことを理解しないと!

年寄りの冷や水:中国の呉副首相の緊急帰国は国際的マナー違反か???
呉副首相や中国政府は、日本国民や中国国民の心情を考えて日中関係が悪化しないよう
にと気配りしたもの
http://blog.goo.ne.jp/kzuo007/e/757f99d4dd6ee222709543876c7e31cc

 確かに、外交上お互いの国を主張を言い合って喧嘩別れするというパフォーマンスは今後必要かも。有権者愛国心が高揚し、選挙で選ばれた政治家にとって外国との妥協という選択肢を奪われる窮屈な愛国民主主義状況に陥ると、両国の政治家が舌打ち合わせして喧嘩別れして、お互い自国向けのパフォーマンスをやり、支持率を上げるという作業が。時間のムダだけど、適度に高揚した愛国心ガス抜きをしないと、下手すると民主主義が維持できなくなるからね。
 韓国は既に窮屈な愛国民主主義状態に陥って、外交の選択肢を狭めており、非常に気の毒である。中国は民主国家ではないが、既に共産党が国内世論の動向を見ながらでないと政策遂行ができなくなっている。日本はまだそこまでヒステリックではないが、最近はマスコミも一部知識人に発狂傾向が見られるから、感染も間近かな?

WeakHole: つるんで行くな、日中交渉マニュアル(2)
帰国した公明党の幹事長は靖国参拝をやめろと首相に進言した。自民党の幹事長は靖国
は内政問題だと
http://whole-week.mo-blog.jp/weakhole/2005/05/post_8fb4.html

 公明党日和見さは気に入らんけど、ある意味現存する政党の中では最も損得勘定で
動く現実政党かも。自民党懐古主義的ロマンティズムに浸ってるからね。

BIGLOBEのblog -KAY.Sak-:なめられとんなぁ。 
なにふやけた顔でインタビュー受けとんねん!もっと遺憾な顔をせぇ!遺憾な顔を!! 
http://kay-sak.at.webry.info/200505/article_29.html

遺憾な顔してもいいけど、それこそ有権者に満足感を与えるだけのパフォーマンスだよね。

海舌:トヨタと日本のアジア主義者、日中友好主義者と懇親
ポチ保守の小泉氏との会議を蹴飛ばしたことは、日本の健全な知識層の支持をこそ受け
るべき姿勢だ。
http://kaisetsu.ameblo.jp/entry-9facf79bfc521b3e188ab2877a6724d1.html

 まあこのコラムはちょっと中国寄り過ぎるけど、中国外交の方が一枚上手なのは確かだ。確かに中国は日本における親中派(あるいは東アジア共同体主義者)と自国中心派の分断を図ろうとし、半ば成功しつつある。
 昔の日本外交は中国の中の親日派反日派を分けて付き合うなんて高等なテクニックができたけど、今は外国に親和的な行動を取る外交官が政治家に更迭されてしまったり、マスコミが官僚の個人名を挙げて売国奴呼ばわりするようなヒステリック傾向が顕になると、そういうテクニックも使いにくくなる。結局、他国に親日派ネットワークを築くことができない今の日本外交は片輪だと思う。

人生の楽しみ方: 中国副首相のドタキャンに思う
支持するしないに関わらず、日本国民のメンツ丸潰れということ。これは逆に小泉の支
持率アップになる
http://yhodogaya.way-nifty.com/blog/2005/05/post_f19b.html

それはどうかな?中国を刺激する発言をすれば支持率があがるなんて構造が定着すると、政治家が選挙目当てに妄言を連発するようになって大変なことになる。今度の世論調査は注目したい。
 中国リスク=資金の引き上げという話は、中国における生産拠点というモデルにおいては考えるべきことで、中国側も過激な民族主義は資本の流出を招くと危惧している。しかし消費国中国というモデルで考えた場合、みすみす目の前のある大消費地をパスするという選択肢では通常の資本の理論ではあり得ない話だ。中国がなんやかんや強気なのはそれを十分に計算しているからである。
 日本の企業、特に世界マーケットで高いシェアを得ている企業が中国をパスすることはあり得ない。中国をパスした時点で世界シェアの急降下が決定的になるからである。そのような経営判断をする経営者が存在するであろうか?

太政官ってなに?: May 2005
失礼極まりない行為には違いないが、現在の中国共産党政府の対日政策の単純さが垣
間見えてきます。
http://tukuyomu.cocolog-nifty.com/blog/2005/05/index.html#a0004784323

確かに中国が主張すればする程、日本の世論が硬化することに中国は留意しべきでしょう。しかし、中国に言われると反発する日本の世論の単純さも憂慮します。靖国神社のことを良く知らず、また参拝したこともない人が、中国がこの問題を持ち出した途端、公式参拝推進派に変わるのはおかしくありません?
 親に禁止されるとやりたくなるお子ちゃま心理ではないですか?

*Internet Zone Movable TypeでBlog生活:呉儀副首相、アジア地域協力で講演 
中国側が穏便に済ませようとしたのに、日本側が「非礼」とか、無意味に騒いだ、
ということでしょう。
http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2005/05/24101735.php

 東アジアでもEUみたいな地域内協力は推進されたほうがメリットがあるに決まっている。そんなことは日本政府も中国政府も日本の経済界もわかっている。基本的には穏便に済ませたい。わかっていないのは人生経験の少ない中国の若者と日本の頭の悪い一般ピープルと政治家だけ。

*夜の談話室:はげしく舐められた日本、メディアは伝えた-2 
反日デモの謝罪要求もしなかった武部氏の姿勢に、今後与野党から弱腰との批判が
出そうだ。 
http://32188062.at.webry.info/200505/article_46.html

 そんなメンツだの謝罪だの、そんなのは外交や政治の世界では枝葉末節のこと。しょせん有権者向けのパフォーマンスです。お互いにプラスになることを話すのが外交の王道。
 外務官僚はその辺よくわかってるんだけど、彼らは機密費の一件で信頼を失ってるからな〜。

支部長の離れ: 靖国神社戦争責任の考え方について〜
避けた方が良いと思うが、事ここに至っては小泉首相も、もはや止めれない状況に
なってきている
http://shibucho.seesaa.net/article/3863129.html

 確かに、一度靖国カードを引いた以上は返せないと思う。単に止めたら小泉総理の終わりを意味するだけでなく、自民党が終わってしまう可能性がある。
 あとマスコミの戦争責任の自省を求める意見には賛成です。A級戦犯にすべての責任を擦り付けるのは卑怯です。マスコミは戦中は言論統制があり仕方なかったと言うかもしれないが、「仕方なかった」という論理が日本の戦争責任をすべてうやむやにし、他国に不信感を与えているのであろう。
 死ねと言われている訳ではないのだから、反省しなさいよ。朝日新聞あたり率先してやるべきじゃないのかね?

*乱歩・ホームズ・峯太郎の日々:毎日靖国神社に行こう!
一度靖国神社にいってみることをおすすめします。広いしすがすがしいし、戦争博物
館もあります。
http://sherlockholmes.ameblo.jp/entry-4234d5be61f2a97d6a5917a0520c8fcd.html

 私も一度ぐらい行くことをお薦めします。どう受け取るかは人それぞれですから。
私はちょっと戦争を美化し過ぎじゃないって思いましたけど。
 それに私は明治維新官軍より賊軍が好きですから。

*もの言う翔年:中国政府−やらしい いけず するやんか
小泉首相の功績は中国政府の真の姿を日本国民の前におぼろげながらもあぶりだした
ことである。
http://ikiiki.livedoor.biz/archives/22937329.html

 結局最後は中国も大人気ない行動を取ったけど、小泉総理の頑固さも大人げないと思うが。信念に忠実というと聞こえがいいが、日中関係を良くする気が全くない。
 さっきも書いたけど、良くなった方が得に決まってるんだから。

*ワンダーランドdeお茶会: 中国のドタキャン
なぜ干渉され反対されるのかを、理解できないのは一国の総理大臣としてのうつわで
はない。
http://sakuchan1588.blog.ocn.ne.jp/wonderland/2005/05/post_d059.html

 小泉首相の「人を憎んで罪を憎ます」発言は×ですね。これは被害者側が言う言葉であって、加害者側が言うことではない。JR西日本の社員が社長を憎まないで、速度違反を恨めと言うのと同じだから。中国側の反日デモが起きなかっただけ良かったと思う。

*あおのターメリック麦秋 
国民の感情は、日中外交の最後の砦です。国民が反中国感情を持ったら、ますます
修復は絶望的です。
http://n-kaoru.at.webry.info/200505/article_12.html

 靖国参拝の是非より、首相の靖国参拝外交カードにされてしまった日本外交の失敗に主眼を置いたブログで○です。これまでは国際社会には中国側の行き過ぎが目立ち、中国も少し自省したようですが、日本が一歩も妥協しない態度を取る事は国内向けにはパフォーマンスにはなるが、国際的にプラスになるのか? 国連常任理事国入りを目指すなら、よく考えて行動してないといけない。

日中韓ウォッチングブログ−呉おばちゃんのドタキャン騒ぎについて
ドタキャンしておいて相手を罵倒ですか…さすが中国。やる事が洗練されてますね(笑
国際法だ何だと持ち出す前に、一般常識にも反するでしょうが、これは。
今更中華主義ジャイアニズム?)を振りかざす中国に猛省を促します。
http://isaac-watcher.seesaa.net/article/3889820.html

 中国が非礼だというのは事実ですが、既に重要な問題ではない。
このブログは非常によく調べられていて、中国が日本と関係改善の努力をしているが、日本が靖国参拝で阻害していりような印象を国際社会に与えるように工作していることがよく判る。中国の工作が成功しているかどうかは今後の国際世論を見ないとわからないが、日本も靖国神社A級戦犯の存在について正しい情報を国際社会にアピールしないと、中国に部が出てしまう恐れだってなくはない。
 中国はデモで国際世論を汚した反省があって、かなり国際世論へのパフォーマンスを強めているようだ。この辺マスコミも報道しないといかませんね。

*東亜マンセー協会−非礼な中国政府
日本としても国連常任理事国入りを目指すにあたって、靖国参拝は強力な外交カード
となるかもしれない。もし小泉首相靖国参拝外交カードとしてつかい、事実上の
賛成を引き出すという超ウルトラCも考えられる。 
http://higashiajia.blog4.fc2.com/blog-entry-99.html

 これは朝生で田原総一朗も言っていたが、面白い視点だ。小泉総理が靖国固執することによって、靖国カードの価値を極大まで上げる。たかが靖国で国連常任理事国なんて大きなカードを取れたら儲けモノだ*1。日本がここまで外交テクが使えればまだ捨てたものじゃない。
>むろん靖国参拝中止は土下座外交として保守派から非難されるであろう。
 その通り。保守派ってなんやかんや外交上邪魔だよね。これは中国だって同じこと。国内の保守派って外交の選択肢を狭める邪魔モノ以外の何ものでもない。外交官と保守主義の相和性の悪さには必然性がある。
 もっとも中国は靖国参拝を中止しても常任理事国入りを支持しないという説もあるけど、日本がここまで妥協すると、他のアジア諸国からの支持は得やすくなるし、国際社会も中国が頑なに日本の常任理事国入りを拒否することに違和感を覚えるであろう。

*Tempus Fugit〜光陰矢のごとし〜「常識はずれのマナー」中国副首相帰国 
 経済的利益から、歴史問題や靖国参拝等を妥協しシナとの友好を重視するのではな
く、シナとの距離を置きあくまで日本の立場を貫くことが、日本が歴史問題等に対し
主体性取り戻すことができる唯一の方法なのではないでしょうか。
http://tempusfugit.blog5.fc2.com/blog-entry-77.html

 私はこういう糞まじめな原理原則論ってのは付いていけない。経済的利益よりメンツ重視なんて資本主義国家のやることじゃないよね。しかもこんなことしたら、日本の国際的信用が失墜しますよ。日本が世界外交のお荷物になりますからね。こんな今も対中ビジネスの最先端で戦っているビジネスマンがいるわけですよ。彼らなら絶対言いますよ「甘い!」って。まあ社会の厳しさを知らない学生君か井の中の蛙の大学教授や評論家、無責任なマスコミならこういうことは平気で言いますけど。 

*1:個人的には常任理事国入りはメリットよりリスクが多いのでは?と思うが。