朝まで生テレビ−小泉総理の評価について

 パネリストの意見を聞いて、政治家を評価するにおいて以下のようなヒエラルキーが共有されているように思われた。

  1. 信念の政治家 理念を持ってそれに基づく政治を行う政治家
  2. 国益の政治家 国にとって損か得かによって政策を変える政治家
  3. 政局の政治家 個人や党、派閥の損得で動く政治家

 自民党の総裁は常に2で動く人ばかりの中1の小泉純一郎が登場してあれだけ高支持率を得た。確かにこの意見は正しいが、私が先日非難した勝谷誠彦が面白いことを言った。「あいつは政局の人間だ」と。確かによく見ると、靖国問題にしても郵政民営化問題にしてもその背後に大きな理念があるように思えない。
 よく目的と手段を履き違える人があるが、手段を理念化しても何も意味のないのである。靖国問題にしても表面的な理由は「国のために命を捧げられた方々全体に対して,衷心から追悼を行うこと」にあるとしているが、他にも追悼手段があるのであるから、靖国神社にこだわる理由は他にあると考えるのが自然であろう。郵政民営化にしても、小さな政府なり財政再建など背後の大きな理念があるなら、他の政策も併せて実施しないといけない訳で、これだけにこだわる理由はわからない。
 残念ながら小泉総理がこだわっている現状は、手段であって哲学が見えない以上、政局の政治家と言われて仕方ないであろう。私も基本的には靖国へのこだわりは保守系団体の票目当てと中止した時の損害を計算しての行動だし、郵政民営化は後世に残る実績作りがしたいという個人的欲求に過ぎないと考えている。
 しょせんこのレベルであれば、せいぜい2の国益の政治をした方がマシである。