小泉自民の無党派層に関する甘い分析

 無党派層には政治的関心が強いが、強いて支持したい政党がないという無党派層と、元々政治的関心が低く、あまり選挙にも行かない層(=政治的無関心層)という2層構造によって成り立っている。それぞれの層は無党派層という言葉で一くくりするのは無意味なくらい異質なもので、それぞれの層に対するアプローチの仕方は大きく異なるというのが選挙の常識である。
 ところが小泉自民党は何を見誤ったか、政治的無関心層に照準を合わしてしまっているのである。広告代理店的に言えばB層という層である。イメージ選挙はまさしく後者へのアプローチには大変有功であるが、前者へのアプローチとしては余り効果がない。
 選挙に行くか行かないかわからない後者を攻めるより、投票率の高い前者を攻めるのが、選挙の定石なのに、どうしたことか?アメリカ被れした広告代理店がアメリカ流の選挙戦術を移入して、道を誤っているのか?
 もっとも投票日まで時間はある。したたかに、これから前者向けの選挙戦術を実践する魂胆かも知れないが……。