親は何を教えればいいいのか?教育は何を教えるべきなのか。

 団塊の世代の親もまさにそこそこ主義であった。そして、親の期待通りそこそこの会社に正社員として入社した子供たちが今苦しんでいるのである。そこそこの大学を出て、そこそこの会社に入ったのに、入社まもなく社内競争に敗れて低付加価値/低賃金労働への従事を余儀なくされたり、高卒で入社して、最初から低付加価値/低賃金労働しか用意されていないいう現実に直面したり。そして絶望して転職を繰り返したり、フリーターになったりと。
 親の世代は、そこそこの会社に入れば、低付加価値労働に従事していても、そこそこの地位が与えられて、そこそこの生活ができていたから、晴天の霹靂なのである。コミュニケーションの取れていない親だと、子供の不甲斐なさを嘆き。コミュニケーションの取れている親だと、子供の現状を哀れみ、つい援助してしまうのである。
 親が甘やかし過ぎるという意見は根強いが、親も日本は今後も甘い時代が続くという甘い認識の下で我が子を騙したのであるから、後ろめたさがあるのである。
 私は日本の労働環境が今のままでいいとは思わないが、もし今の格差社会が恒久化するならば、子供たちの幸せのために親や教師は子供たちに「競争に勝つための教育」を施さなければならなくなるのである。まさに「女王の教室の世界」である。そこまで日本人に覚悟があるのか、多くの日本人は本当は「助け合いの日本」が恋しいのではないか?