創造神が顕れぬ今、破壊神信仰に走る若者たち。

 今でも堀江氏を支持する堀江信者のブログをここ数日しらみ潰しに見ている。
最初は何で未だに擁護するのか全く理解できなかった。単なるマスコミの風潮への反発かと思ったが、少し共通点が見えてきた。
 堀江支持のブロガーの多くが堀江氏に共通している部分は破壊者堀江への期待である。何か解らないけど、今の閉塞した社会を壊してくれるのでは?と…。決して堀江氏の口から発される経済的価値(それは堀江氏に付随するわずかな創造的部分なのであるが……)への共感はそれ程強くない。
 堀江批判をする人は、堀江氏の口から発する拝金主義的なマインドに反発する。堀江支持の人はそれを既得権にしがみ付く人間による議論のすり替えとしか理解しない。上の世代の人間は発する「汗をかかないといけない」という日本の伝統的価値観として受け入れられてきた発言さえも、若者は年功序列賃金で長期間低賃金で我慢しろといったメッセージと捉え反発する。また堀江批判をする人間は堀江支持の若者が拝金主義を賛美しているものと勘違いし危機感を感じる。堀江支持者と堀江批判者の視点がまったく合っていないので議論が噛み合わないのである。
 20代の若者には、上の世代が過去の繁栄の貯金を食いつぶして勝ち逃げするのではという不信感がある。何ともやるせない気持ち。だた新しい時代や価値観を提示してくれる創造神は顕れないのである、そこでとりあえず古いものを壊してくれる破壊神に惹かれる。それが堀江であったり、小泉であったり。
 ただ破壊神は破壊して終わりなのだ。何か破壊される一時的なエクスタシーを得ることができるが、その後に空しいものしか残らないのである。
 私も創造神が顕れるのか、それとも神など存在せず、人間の範疇でしか世界が動かないのか、現実はよくわからない。とりあえず破壊神に縋るような愚かな真似はしたくない。