ホリエモン以降の地殻変動

 ホリエモン事件、或いは小泉政治バックラッシュとして起きているのは右傾化でも左傾化でもなく、コミュニタリアニズム化である。これはリベラリズムにもネオリベラリズムにも見られる傾向で、自己責任や自立といった90年代以降持て囃された自由主義的、個人主義的なキーワードが忌諱され、公や扶助といったキーワードが目立ち始めた。
 これは日本だけの傾向でなく、アメリカでも大ブッシュ時代にはリバタリアニズム的な保守主義から小ブッシュ時代には宗教保守勢力が跋扈するコミュニタリアニズム的な保守主義に変質している。これはネオリベからネオコンへの変質ともパラレルである。私は小泉政権の後継者と見られる安倍政権*1は、真の意味の後継ではなく、日本におけるネオコンからネオリベへの移行となるのではと予想している。
 これはリベラリズムにも影響し、自由主義的なリベラリズムからコミュニタリアニズム的なリベラルに重心が移動し、リベラル系と見られた人が公共心や倫理といった言葉を多用することが珍しくなくなった。

*1:発足したと決まった訳ではないが…