産経抄の反響

8/1の産経抄ネットウヨの間で反響を呼んでいるようだ。

 「お客さまは神様です」といえば、三波春夫さんの名文句である。昭和36年、巡業公演の最中に、司会者との何げないやりとりのなかで生まれ、やがて流行語になった。
 ▼「客にへつらうようでいやらしい」と批判の声もあったが、三波さんにはそんな気持ちは微塵もなかったようだ。ある公演で、紙テープを大きなかたまりにして投げつけ、いやがらせをしようとした若者を、歌の途中で「無礼者!」とどなりつけたことさえある。
 ▼こうした困った神様が最近増えてきたように思う。特に目立つのが、公共交通機関の職員に対する横暴な振る舞いだ。旅客機の離陸時に携帯電話の使用をやめない客に、客室乗務員が注意したところ胸ぐらをつかまれた。切符を持たずに改札を通り過ぎた客に駅員が事情を聴いていると、いきなりつばを吐きかけられた。こんな話をよく耳にする。
 ▼たまりにたまった不満やイライラが、何かのきっかけで立場の弱い人に向けられるのか。それとも権利の主張ばかりを教えられてきた戦後教育の結果か。いずれにしても、マナー以前の社会の病理というほかない。
 ▼航空会社や鉄道会社では、暴力行為に対しては警察に通報するなど毅然(きぜん)とした態度を取るようになっている。ただ、暴言などに対しては、泣き寝入りするケースが多かったのではないか。言葉の暴力の方がかえって、人間の尊厳を踏みにじり、心により大きな傷跡を残すことがあるというのに。
 ▼その意味で、きのう在日韓国人の男性が、大阪地裁に起こした訴えに注目したい。仕事中に差別発言を行った顧客に対して、慰謝料などを求めたもので、「社会的責任の観点から支援していく」という勤務先の積水ハウスのコメントにも、大いに共感を覚えた。
8/1 産経抄

 最近の嫌韓流を読んで影響を受けてしまうようなレベルの低い嫌韓厨は、積水ハウス在日韓国人社員の差別問題で陰謀説や背後組織の闊歩などを指摘して批判しているようですが、自分たちの味方として疑わない産経新聞積水ハウスを評価する論説に面食らっているようです。
 しかしどう考えても、韓国・朝鮮の付くものは何でもネガティブなものに帰してしまう人々の論理の方が無理があります。産経新聞は最近の諸問題を何でも戦後教育のせいにするのは安倍官房長官同様思考停止の逃げだとは思いますが、「毅然とした態度」というものを評価している点では最近の社説と同じ考えで、筋は通っていると思います。
 確かにサービスの提供側が常に下手に出るという考えはおかしいと思います。もちろんサービスの提供者が高慢で消費者を無視しているアメリカの畜産業者みたいのは論外ですが。