京都Ⅱ

賀茂神社

 ホテルの朝食は高いので、近所の喫茶店に行こうと言うことで、昨夜堀池五条のホテルの斜め向かいに喫茶店があるのを確認していたのだが、行ってみたら休みだった。仕方ないので9系統のバスで上賀茂神社に向かう。かなり本数の多い路線で、ほとんど待たずにバスはやってきた。バスはひたすら堀池通を北上するのだが、次第に古都の風情が失われ、北山通を過ぎるとすっかり新興住宅地のような風景になった。茄子の産地と言われただけあって、この辺も昭和30年代までは農村だったのであろう。とりあえず朝食を食べるところを探したいところだが、少し不安になってきた。バスは御園橋を左折したところで止まったが、ここはちょっとした商店街になっている。古都というより地方都市の郊外という感じで風情はない。そんな商店街に果物屋がやっているフルーツパーラーがあり、ここでモーニングサービスをやっていたので入る。
 朝食を済ませ、御園橋を渡って上賀茂神社境内へ。平安京遷都以前からある古い神社で、普段見る神社とは異質な古代の香りがする。ワビ・サビといった美意識が構築されるはるか昔の原風景的な。

下鴨神社

 次の目的地は下鴨神社。ちょうど上賀茂神社とは一対を為す古い神社だ。非常に便利なことに上賀茂神社から下鴨神社へ向かう4系統のバスが20分毎に運行されている。バスは鴨川を2回渡り、上賀茂の新興住宅地を回り道しながら北山駅を経由して下鴨本通へ入る。通りを南下すると、神社の本殿の横辺りにあるバス停に付く。
 下鴨神社上賀茂神社ほどの原始性は感じないが、やはり古代の香りがする。「豚氏ね神社」という別名のは我々の世代にしかわからないだろう。葵生殿がやはり気になり目に焼き付ける。

三十三間堂

 雨が降り出したので、観光を早めに切り上げた。晴れていたら参道を歩き、出町柳駅からバスに乗り銀閣寺に向かう予定であたが、屋内観光をということで、国立博物館にでも行こうと205系統で七条河原町に向かう。しかしバスに乗っている間に雨が止んできたので、急遽三十三間堂に行くことにした。
 実は澤柳氏と高校の修学旅行で同じ班で、三十三間堂は拝観時間が過ぎて見れなかった苦い思い出があるので、今回は再チャレンジだ。三十三間堂は写真では見たことはあるが、数多の仏像が所狭しに配置され圧巻である。恐らく高校の修学旅行で閉山時間ぎりぎりに行っても見切れなかったであろう。

銀閣寺から哲学の道

 雨が止んだので、哲学の道方面に行くことに。三十三間堂の前から100番のバスで銀閣寺に向かう。このバスは観光客向けに最近新設された系統らしいが、非常に便利な場所を通っているので非常に混んでいる。銀閣寺下で降り、とりあえず昼飯を食べる場所を探した。銀閣寺の門前から少し入ったところに豆腐懐石の店があったので入る。民家を改造したような店であまり有名店でないようだが、地の利がいいので混んでいる。味も素朴でよかった。
 銀閣寺は修学旅行の時に行ったのでパスしようと思ったが、もう20年近く経っているのでとりあえず行くことにした。山内に入ったが、修学旅行の時の記憶は全くない。とりあえず行ってよかった。
 銀閣寺から山沿いの宅地内道路を歩いて法然院に向かった。ただこのお寺は秋の一時期しか拝観できないらしく、山門辺りを見て、哲学の道に入る。