小田急 地下鉄乗り入れ用新型ロマンスカー発表

小田急電鉄20日、相互乗り入れしている東京メトロ千代田線に来年春から導入する新型ロマンスカー「MSE」(マルチ・スーパー・エクスプレス)の概要を発表した。
 新車両は長さ20メートル。連結して10両編成にすると、定員578人。ビジネス特急として平日の夕方から夜にかけて、千代田線湯島駅から小田急線町田・相模大野方面まで運行する。
 先頭車両は緩やかな流線型で、外観は地下空間でも映えるようブルーに統一し、オレンジ色の帯を入れた。最高速度は時速110キロ、車内はバリアフリーで、多目的トイレや車椅子対応のスペースを設けた。
 6両編成2本と4両編成1本を38億円で製造する。
(毎日新聞) - 9月21日

 以前「格差社会少子化と鉄道」(id:kechack:20060308)で触れたが、少子化/人件費と格差社会を考えれば、鉄道会社としては王道の打ち手であろう。少し遅すぎた感もある。観光特急の車両をラッシュ時に間合い利用で通勤輸送に使用する発想は80年代からあったが、これからは通勤輸送に付加価値をつける時代であろう。小田急複々線事業完成の暁には朝のラッシュ時にも通勤ロマンスカーの運転も始めるであろう。
 停車駅等未定のようだが、千代田線内からの顧客に絞った戦略は巧妙である。新宿からならば並べば急行電車に座って帰宅できる。これができない千代田線では更に付加価値が高まる。また新宿発より距離があるので、新宿からだと特急利用のターゲットにならない成城学園辺りに停車させても需要が見込めるかも知れない。