世論調査 72%が核についての議論容認

  http://www.news24.jp/71015.html
 日本テレビの調査だが、この世論調査は恣意的過ぎる。読売新聞はまだ独自の調査を発表していないが、11/8の読売新聞の社説[核論議]「議論すら封じるのはおかしい」を追認した格好だ。 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20061107ig90.htm
 核武装議論を容認するのと、核武装を容認するのは月とスッポンである。本来なら「核武装議論」について問う設問と、「核武装」について問う設問を併せるべきではなかったか? これでは「日本人の間で核武装容認論が拡がっている」という誤った空気が醸成しかねない。
 この調査はまた、麻生外務大臣や中川政調会長の背中を後押しするためのものであったとしたら遺憾だ。私も自民党の若手議員が核武装議論をしたって全然構わないと思っている。国民の中に一定数の核武装論者がいれば、一定数の核武装論者の議員が誕生するのは代議制の宿命で止むを得ない。ただ大臣や与党の政策責任者が言うのは問題が違う。この次期にしかるべき地位の人間が核武装議論を持ち出すのが外交上損か得か?という議論をすべきでないか。
 このような世論調査には要注意だ!私の意見も、正確には「核武装の議論をするのは構わない」に入ってしまうのであろうが、マスコミのよって恣意的に利用されることの担保として、若し調査を受けたら「絶対タブー!」と答えるしかないのか?
 とは言え、日本の保守政治家の最近の自由な発言の裏には、言論封鎖を受けてきた積年の屈折感みたいなものがあるようだ。とにかく「この議論がタブー化されるのが許せない」という感情がまずあるきになっている感がある。*1あんまりタブー、タブーと言うのも、保守主義者のバックラッシュを先鋭化させるだけなので、これも良くない。結局、こういう世論調査が来たら、「答えたくない」と言うしかなさそうだ。
 ちなみにお隣韓国では核武装すべきという意見が65%にのぼったらしい。こちらはより深刻である。
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/2006-10-12T144217Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-231877-1.html
 しかし韓国が核を持つことに、日本人がどういう感情を抱くかはほぼ共通していると思う。隣国が核を持つということはそういうことだ。
 こういうのを負の連鎖と言うのであろう。政治がこういうくらない市民感情からワンランク大人の対応を取ることを期待するしかない。

*1:議論するのは所詮タカ派の人たちの精神衛生を担保する、それ以上の価値は見出せないのだが…