道路特定財源の一般財源化について
道路特定財源の一般財源化が議論されようとしております。安倍総理は一般財源化を推し進めて改革政権であることをアピールする機会にしようとしています。今のところ世論もマスコミも賛否両論ですが、最近の政治の流れを見ると、まもなく一点に収斂して改革派、守旧派のレッテル貼り合戦が始まる予感がします。
道路特定財源の方向性については
いろいろな折衷案も考えられますが、主にこの4つの考え方ができます。明らかに利権が見え隠れするのは4番だけであって、その他は選択肢として考えられますし、非難すべき選択肢ではありません。
しかし思い出されるのは小泉時代の「郵政民営化」。この時は見事までに民営化論以外は改革に非ず、それ以外の意見は見事までに守旧派のレッテルが貼られ、マスコミはその考え方の固定化に協力しました。安倍政権は同じような手法を使い、1以外の主張に守旧派のレッテルを貼り、一気に改革派として名を上げることは可能です。世耕などはこの辺を狙っているでしょう*1。
2の意見はどうでしょうか。非常にスジが通っており、この意見を支持する世論も強いのですが、「この時期に自動車利用者に対して減税する意味あるの?」という意見も根強いでしょう。「消費税が上がるくらいならこの税を残すべき」と言われれば、そうだと言う人も多いと思います。また非常に新自由主義的な匂いがしますので、安倍政治的には本来この政策を取るのがスジのような気もします。
3の意見はどうでしょう?何に使用されるかわからない一般財源化より、用途がはっきりしているので納税者に説明しやすいという面はあります。ただ税率のうちどれだけを旧来の道路建設用に残し、どの程度を環境対策に回すのか明らかにしないと、道路予算の温存策にも使われかねません。民主党は政策を明らかにしてませんが、この辺の対案を出してきそうです。ただこの案は1にくらべてインパクトが弱く、安倍政権に守旧派のレッテルを貼られ、裏に自動車労連がいると宣伝をされて支持率を下げる光景が目に浮かびます。世耕なんか野党がこの案を出してくれると攻めやすいので喜ぶでしょう。
4の意見は既にマスコミの反発が強く、なかなか主張し辛くなってくるでしょう。そうなると、4の意見の人達は3の意見に潜伏するでしょう。
私個人としては3の意見を支持しているのですが、こういう意見は今の時代非常に支持されにくくなっています。今はいいですが、だんだんブログ界でも肩身が狭くなり、「お前は守旧派だ」というトラックバックバックが飛んで来そうです。
別に一般財源化しても一般財源で道路を作られたら元も子もないですし、はっきり環境目的にしてEU各国の炭素税的な用途に使ってもらった方が、道路に使えないことがより担保できると思うのですが。まだ自論が自由に展開できるうちに自論を展開しておきます。