低付加価値単純労働の需要を減らして、高付加価値労働の需要を増やすべき

 日本の製造業はオートメーション化で工場労働者を減らすことで成功してきたではないですか。安倍総理の言っている「イノベーション」というのは本来そのようなことだと思うのですが、どうも理解されているのか不明な言動が多いように感じます。日本は識字率が高く、高等教育が普及している世界でも類のない国でありますから、アメリカ型の経済システムを流用して低付加価値単純労働の需要を増やしてはいけないのではないでしょうか。日本の構造改革は、結局低付加価値単純労働の需要を大きく増やしてしまいました。結局需給のミスマッチが置き、ある程度能力ある人間が、その能力を発揮できないまま単純低付加価値労働に就いているという現象が起きてしまいました。これによる経済的損失は計り知れません。
 日本は独自かむしろヨーロッパに近い経済改革を目指すべきでしょう。規制緩和はすべて良いわけでもすべて悪いわけでもありません。低賃金化を助長するタクシー等の運輸部門や大量の低賃金パート社員の需要を増やす流通業の自由化には慎重になるべきでしょうし、高賃金社員の需要を増やすIT産業は活性化させるべきでしょう。
 最終的には高付加価値産業は育成されてが人材が不足する問題に直面するでしょう。残念ながら日本はまだその心配をする段階にないのですが、その時初めて低付加価値産業に埋もれている優秀な人材を高付加価値産業に移動させるような労働政策や教育システムが必要になってくるでしょう。