選挙展望 参院選東京選挙区1

自民党が改革政党で、民主党守旧派だと思っている有権者は意外と多い、特に都市部の20代前半に。私のように選挙権を得て初めての衆院選で細川内閣誕生を目の当たりにした人間にはアンビリーバブルなのだが…。
 ただ有権者の10%を占める東京都で、自民党がいまのところ保坂三蔵しか候補者を立てていない。はたして自民党が改革政党であると今でも信じている都市部の若者がはたして保坂三蔵に投票するであろうか?
 2003年の参院選挙を思い出すと、この選挙は小泉改革を支持する有権者民主党の投票するというねじれ現象が起きて、自民党が敗北した。はっきりいって参院自民党は余りにも「古い自民党」が温存され、党首が改革を叫んでも投票する気が起きない候補者ばかりなのだ。
 もちろん今年の選挙は3年前と様相は違う。小泉改革への肯定的世論一辺倒でなくなり、改革という言葉に対する神通力は低下している。民主党は「自民党との改革争い」から格差是正といった社民主義的な路線にシフトしつつある。
 ただ自民党が都市部で一定の支持を得るには、多少神通力が落ちたとは言え「改革」を叫び続けるしかないであろう。ただ今のままでは安倍総理が改革を叫んでも、その路線に一番近いのは民主党鈴木寛候補であって保坂三蔵ではない。3年前と同じ現象が繰り返されるような気もする。2005年の衆院選で、有権者は候補者より政党を基準に選ぶ傾向が強まったと言われる。確かに「小泉」の名の下、かつて嫌らしい程の利益誘導を続けていた古臭い議員が「改革」の名の下で大量得票するという由々しき事態が起きた。ただその状況が続くとは安倍総理の顔を眺めても、保坂三蔵の顔を眺めても、あり得ないと思わざるを得ない。
 自民が東京選挙区で2人目を誰を立てるか、これは今年の参院選の最大の注目点である。
東京は一票の価値がもっとも低いが、比例票の10%を決定する選挙区でもある。選挙区で自民党の得票率が落ちれば、比例区への影響は甚大である。自民党は97年の参院選で都市部で複数候補を立てた戦略が裏目に出て、共倒れが相次いだトラウマから、2000年以降は候補者を絞る傾向にあるが、候補者の当選が磐石になってしまうことで支持者の動きが悪くなり、比例区の得票に悪影響が出ている。流石に定員5に増えた東京選挙区で候補者1人に絞ることはないであろう。
こんなニュースもあるが…

 東国原知事が誕生して、無党派対策=タレントという安直な手法が蔓延しているようだが、これじゃあダメでしょう。