沖縄の選挙事情

 参院補選の世論調査は、読売が互角とした以外は沖縄は自民優勢。沖縄で革新が勝てなくなってきている。
というより沖縄だけなぜ未だに55年体制的な保革対立が続いているのかということを問題視した方がいいのかも知れない。
 全国的には自民vs民主の選挙構造になるケースが増えているが、沖縄は社会党共産党或いは地域政党社会大衆党の影響力が強い。基地問題が最大の社会問題であった沖縄では民主党は立ち居地が中途半端で支持基盤が築けないでいる。上原康助などは大臣まで勤めながら社会党から民主党に移った途端落選してしまった。結局、民主党自民党との対決構造を明確化するために革新共闘に寄生しているに過ぎない。
 ところが基地問題普天間基地の移設問題が一段落して関心が低下し、県民の関心が基地問題から生活に移る中で、保守優位の状況が固定化しつつある。

  • 北海道との違い

 北海道も景気回復から取り残され、東京都の格差が広がっている面では沖縄に似た状況であるが、北海道ではこの状況が自民党への著しい逆風として顕れている。北海道ではあの郵政選挙の時でずら自民党議席を減らし、その後の選挙でも自民党が連戦連敗を続けている。北海道では中川、武部、町村と自民党の有力議員が多いが、みな中央政治家化して地元のことはあまり考えていないと地元では評判が悪い。与党政治家に公共事業を持ってきてもらおうというような話は誰もしなくなり、野党の提示する格差是正の話に耳を傾ける有権者が増えている。
 一方で沖縄では、生活重視=保守、イデオロギー重視=革新という二分律ができあがってしまっている。民主党が知事選で基地問題に焦点を当てすぎたと慌てて格差問題を前面に出してきているが、沖縄で生活重視=保守という路線ができあがってしまっているので、短期間でどこまで浸透するか疑問である。
 まあ保守陣営の中央とのパイプで金を持ってきましょうという話も「古い自民党」ぽくて首を傾げたくなるのだが、革新陣営が生活面でのテーマ作りをしてこなかった怠慢を考えれば、選択肢がないのであろう。本当ならもっと沖縄の自立みたいなことをどの陣営も考えるべきなのだが。私個人的には「やまと」への媚態に満ちた沖縄なんかには何の魅力を感じないのだが…。

 同じ調査で福島県では民主優勢が伝えられる。福島県自民党が勝てない理由は昨日のエントリーの通り。山口県出身の総理が辞めない限り自民党福島県連には春は来ないであろう。
 また福島県は保守的な地域であるが故に民主党保守政党的な側面が自民党からの支持者の移動を容易にするプラスの面に出ている。一方沖縄県では自民党との違いが少ない分組織拡大のネックとなっている。
 沖縄県などは、自民党地域政党が対峙する政治環境の方がいいのではないか。基地一辺倒からやまと依存派と自主独立派という対立構造を作るのがわかりやすい。民主党などは沖縄での党勢拡大はあきらめて、地域政党をサポートする黒子に徹した方がいいと思うが。....