小泉チルドレンがいいとは言わないが…

 2年前の自民党の圧勝は小選挙区制度の賜物ではあるが、小選挙区制度そのものは概ね自民党をダメにしている部分が大きい。なにより議員の新陳代謝を悪くした弊害は大きく、その害はいよいよこの党を腐らせつつある。小選挙区制度により、現職優先、2世議員の氾濫が何より顕著で、新たに政治家を志す者は、自身の政治信条に合う政党を選択する余地などないまま、民主党に流れていったのがここ10年の動きではなかろうか?
 今思えば、郵政選挙自民党にとって新陳代謝を行う最初で最後のチャンスではなかったであろうか?にもかかわらず、自民党の古賀選対オ委員長をはじめとする幹部は、「次の選挙は厳しい」の一言で、勝てる可能性の高い候補を優先するとしている。
 それは当然回数の多い議員や、地盤の安定している世襲議員の方が安定しているに決まっている。ただそんなことでいいのか?
 もちろん小泉チルドレンは玉石混交で、本来なら玉を選ぶべき選考が余りにも急に行われたために相当石が混じってしまったのは事実だ。ただ幾分でも玉がいるのであるから、当選回数を積んでいる割には実績の出ない議院に引導を渡して、新人に賭けるくらいのことをしないと、自民党は完全に腐っていくであろう。このまま放置するすると、自民党は政策以前に人材負けすると明言しておきたい。

  • 自民党郵政選挙での圧勝で、40代の議員が急増。
  • 民主党は選挙の惨敗で、当選回数の少ない30代の議員が相次いで落選。
    • 40代の中堅議員は逆風下でも選挙区で勝ち抜ける議員が多く、それ程減っていない。
  • 自民党の30代、40代の議員の中でも世襲議員がかなり含まれる。