北京オリンピック−中国政府には圧力をかけるべきだが、それを目的化してはいけない。

 開会式ボイコット等の動きが出ているが、このようなスタンスはあくまでもカードであり、目的化する意味はない。今為されるべきことは、オリンピック開会までに中国政府にチベット自治を認めさせることであり、その為にあらゆるカードを駆使し外交的圧力をかけるべきである。
 ただネットウヨの主張は、政治家やマスコミに中国に毅然たる態度を取らすことが目的化してしまって、既にオナニーになってしまっているので聞く耳を持つ価値がない。
 またサヨクの一部に中国を支持するアホがいる。中国人や中国文化に親しむのはかまわないが、中国政府を支持する態度はかなり頭がイカレテいると思う。右派だけでなく左派もこういうアホは徹底糾弾すべきだと思う。
 以下、私の認識である。

チベットの戦略

 ダライ・ラマの戦略とは何か?彼はあくまで中国にはオリンピックを開催する資格があり、オリンピックを支持していると言っている。では、この次期になぜ勝負をし、何をしたいのか?
 答えは簡単である。オリンピック等の国際イベントを開催する国は、国際世論に敏感にならざるを得ず、「うちの国にはうちのやり方がある。」という開き直りが通用しない。その次期を狙ったのである。ダライ・ラマはオリンピック開催までの間に中国当局をテーブルに着かせて、高度な自治を勝ち取るのが何よりの目的である。
 オリンピックが無事終わってしまえば、中国は再び「うちの国にはうちのやり方がある。」と開き直って、国際世論を無視してチベットを弾圧する可能性がある。時間がないのである。

なぜ北京オリンピックが開催されるのか?

 世界はすべて「西欧の価値観を広める」という目的で回っている。そのために様々なカードが用意されており、オリンピックもそのカードの1つになっている。オリンピックを開催する条件として、あらゆる民主化や人権擁護を課題として改善させ、西欧的価値観を普及させることができる。
 私は、中国には共産党一党独裁の解消と普通選挙の実施といった高いハードルを与えて、それをクリアできなければオリンピック開催を支持しないというもう一段高いハードルがあってもよかったと思っているが、中国にオリンピックを開催させることで、民主化が加速し、西欧的価値観に近づくという期待感があったのは事実だ。