官僚の不祥事と政府の責任

 
VOICEの高山正之氏の記事だが、どうも官僚の不祥事が内閣や与党の責任になるのが気に入らないとうだ。

しかし新聞はなぜか「政府の責任」を追及する。農水相は何をしている、とか。何度でもいう。大臣の責任ではない。悪いのは役人で、その首を切ることが農水相の仕事だ。
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20081016-01-1401.html

 しかし思い返せば、小泉時代、官僚の不祥事で内閣や閣僚の責任を問われたであろうか。マスコミによっては政府や閣僚の責任を攻め立てたが、世論への訴求効果はほとんどなかった。官僚組織に対してトップダウンで改革しようという態度を示して、組織改革の意欲を示せば、世論は官僚の不祥事と内閣の責任を分離して考えるようになる。
実はこれは小泉政権に始まったことではない。自社さ政権の橋本政権時の菅直人厚生相も、当時は改革者として認知され、閣僚でありながら官僚の不祥事に対して責任を追及される世論は起きなかった。
やはり安倍政権以降であろう。公務員制度改革がトーンダウンし、官僚組織と政府与党の蜜月関係が復活し、その為に政府与党はラクになったが、一方で官僚組織の不祥事の責任をすべて被ることになったしまった。