自民党は一昨年の参院選の選挙総括を間違えた

 私はつい半年前までは、都市部の若者(30代以下)は依然として自民党を支持する傾向が強いと言い続けてきた。それは客観的データというより私の素肌感覚によるものだ。この主張には批判もあったが、ある時点までは正しかったのではないか?
 今でも自民党を支持している私の友人たちを定点観測すると、小泉時代自民党支持を明確にした人間が多い。

  2007年の参院選、実は自民党は都市部で健闘していたというデータは実にしっくりくるものである。私の友人の知る限りでは丸川珠代に投票した人間が多かった。
 都市部の自民党を支持している若者は、特亜だ核武装だとか言っている一部の例外的な人*1を除いては、与党による強力な改革の遂行を求めている。つまり民主党の政策が気に入らないと言うより、野党がいくらキレイごとを言っても、政策実現しないでしょう。与党が改革するから意味があるんですという考えなのだ。
 ところが自民党は地方の1人区でのドミノ的敗北に目を奪われた。というより、小泉時代にずっと煮え湯を飲まされてきた自民党の地方組織が、敗戦総括を利用して構想改革路線の路線変更を迫ると言う政治闘争が起きたと言える。
 直近の調査だと*2自民党は地方でベテラン議員が必死の選挙活動で息を吹き返している一方、これまで底堅い支持率を保って郵政選挙の貯金をキープしていた都市部でのデータが悪化しているようなのだ。
 都市部の若者も、もういい加減「自民党による改革」に見切りをつけているのではないか。自民党の中で自称改革派と言われる人たちは中川秀直を筆頭に党内基盤を喪失し影響力を失っている。若手もだんまり常態であるからムリもない。
 民主党は、名古屋、さいたま、千葉の政令市長選挙で、若くて改革イメージの強い候補者を立てて、これは都市部でかなり最近まで自民党支持を続けてきた若年層に、民主党にやらせてみてもいいのではないかというマインドチェンジを促す効果があった気がする。

*1:私はネトウヨ的言説はノイジーマイノリティーだと断定。ネット上で目立つだけで、選挙分析上は無視していいという立場を取っているので悪しからず。

*2:SAPIO野上忠興氏の分析参照