支持基盤とのしがらみと二大政党制

 全くあらゆる組織としがらみのない政党がもし成り立つのであれば、それは素晴らしいことではあるが、小選挙区制度においては無党派層に依存する政党が勝ちあがるのは困難だし、仮に一時の勢いで勝ちあがっても勝ち続けるのは厳しい。
 結局、二大政党制において政党は何らかの支持基盤を有し、大抵の国で経済界を支持基盤とする保守政党労働組合を支持基盤とする政党が対峙する構造になっている。
 結局、政権交代によって、特定の組織が既得権を保持し続けることができないようになっているとうのが、多くの国で行われているガバナンスで、政権交代の起きなかった日本において、ガバナンスが効かなかった為に、いろいろな既得権が温存されてしまっているのではないか。
 自民党政権現業公務員の数減らしは、国民の支持獲得と対立政党の支持基盤潰しの一石二鳥になるので一所懸命やる。賛否あるが「国鉄改革」や「郵政改革」はやる気満々で遂行した。ところが幹部公務員に政策立案を依存しているので、彼らの既得権に対しては甘々である。
 現業部門の改革はだいぶ進んだので、次は幹部公務員にしがらみのない民主党に全く手付かずの幹部公務員の既得権破壊をやってもらいたい。
 もし民主党現業公務員に甘い政治をするようになって、それが目に余るのであればまた自民党に政権を担ってもらえばいいだけではないか。民主党官公労がバックにいるので改革ができないと言う人もいるが、何もやらない前からそういう話をしても仕方ない。
 このように政権交代を繰り返せば、特定の既得権だけ破壊して、ある既得権は残るというアンバランスな擬似改革は解消されて、社会の公平性がバランシングされるのではなかろうか。