どいつもこいつも大都市優先主義者ばかりなのに、地方を敵に回す勇気はない。

「成長戦略」という言葉を多用する人の意見を聞くと、ようは強いところに集中してお金を使えということ。経営学的にはセオリーだが、政治というのは強いものは放っていても大丈夫なので弱ったところを救済するという考え。鳩山政権は政治的であり、昔の自民党政治もそうであった。鳩山政権の対して「成長戦略がない」と言っている場合、多く場合日本の政治を止めて日本の経営をやれと言っていると考えていい。
 田舎の公共事業はダメだが、都市基盤整備などのこう今日事業はいい。経済紙でよく見る意見だ。成長する部分への集中投資は経営学にはセオリーだが、政治的には今でも「国土の均衡たる発展」という国是としているので明らかに矛盾する。経済紙は政治的な国是を取り上げて、経営をやれと言っているののだ。
といころが、東国原に限らず、地方自治体は国是にのっとり都市部並のインフラを求めているし、これからも陳情が続くだろう。

最近の「地方空港の乱造が航空会社の経営に悪影響を与えた」的な地方空港悪玉論も、典型的な「田舎は我慢しろ!」言説の類型には違いない。
エコノミストや中央マスコミの記者のほとんどは明らかな都市優先主義者ばかりだが、みんな長たらしい文章を書いてもっともらしいことを言うが、誰も肝心な「田舎は我慢しろ」の一言をまず言わない。明言しているのはホリエモンくらい。彼とて2005年の衆院選に出馬した時、選挙区ではそのような発現はしないでお茶を濁していた。もちろん政治家にその発言をすることは期待していない。今の選挙制度では地方を軽視する政党は必ず負けるからだ。
みなお茶を濁し続けるから、議論は噛み合わないまま成果の期待できない陳情が続くのである。