**外国に親和的な外交政策を批判する場合の常識〜政治家が愛国心に基く動機で動くことはあっても、愛外国心で動くことはない。〜

菅総理の韓国への植民地支配に関する首相談話の中身はさておき、これを批判するネット言説の中で、菅総理や仙谷官房長官の動機を「韓国が好きだから」と解する言説が多く散見される。
ただこいういう問題を好き嫌いで分別するのは余りにもピュア過ぎる。自分が日本を愛する気持をそのまま普遍化して、諸外国に親和的な行為を「愛外国心」だと理解してしまうのだろう。これはかわゆくてピュアだけど、ちょっとズレている気がする。
 愛国心は純粋な好き嫌いの世界かも知れないが、外国との友好・距離感はそれほどピュアなものでなく、損得の土俵で考えた方がいい。
 更に個人レベルと政治レベルでは話は違う。例え愛国心であっても、個人の愛国心はピュアであっても、政治家のそれはピュアであるとは限らない。愛国的な言動、行動を取れば、それを歓迎する有権者の票が取れるという打算も加味され、半分損得の土俵に入り込む。
 ましてや政治家が諸外国に親和的な行動を取る場合、ピュアな部分はほとんどなく、損得の世界の話であると考えるべきである。もちろん、損得勘定で動けば許されるという問題でもなく、損得勘定で動くことが悪であるという場合もあり得る。歴史上の売国奴や利敵行為を行うものは、ほとんど例外なく個人の利益を優先させ、自国に損害を与えている。
 外国に親和的な外交政策を批判する人は、ピュアなズレに早く気付いて、そのような外交政策が推進される裏にはどのような利害があるのか分析し、その上で批判を展開すべきである。