チャイナリスク―それでも日本企業は中国で金儲けをするべき―

 チャイナリスクと一言で言っても、以下の場合で対応は大きく異なる。

・中国の安い人件費を期待して、中国に生産拠点を置くケース
・中国からモノを輸入するケース
・中国市場でモノを売るために進出するケース

 チャイナリスク分散のために、中国依存を減らすべきという主張は1と2においては正しいと思う。生産拠点の分散化、輸入先の分散化はリスク軽減策として有効であろう。
 昨今、中国依存を深める日本企業を批判する言説を多くみるが、批判する場合は丁寧に1と2のケースを具指すべきである。中国でモノを売ろうとしている企業もチャイナリスクには十分配慮すべきであるが、撤退すべきと言うのは間違っている。むしろ中国への攻勢を強めることがリスクの低減になる。反日デモ日系企業の店舗等が標的になっているようだが、数が少ないから目立つので標的になったのであって。中国国内にありとあらゆる店舗網を張り巡らせれば、標的にもなりにくいし、いちいち日本を意識されなくなる。
 たいたい日本企業が撤退したところで、代わりに他の国か、中国の民族資本に取って変わるだけで、中国には何のダメージにもならない。
 生憎、日本の経営者の多くは、反日デモなどには冷静な判断をしているようである。