経済界、高まる改憲論 日商、要望「中間とりまとめ」 自衛権や戦力保持明記

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041218-00000016-san-bus_all

冷戦の終わりは日本の保守陣営に亀裂をもたらした。反共の名の下、ともに自民党の支持基盤としてなんとなく同じ歩調を取っていた「伝統的保守陣営(或いは文化保守陣営)」と「経済保守陣営(財界等*1)」の利害の離反が目立ってきた。最初は食料問題。「日本文化の基盤はコメだ、自由化は断固許さない」という伝統的保守陣営(環境グループ等、従来左翼と思われていたグループもこの意見が多い)と、経済界を中心とした米英的な自由貿易主義の影響を受けた経済保守主義の利害が対立した。最近では中国問題をめぐって、小泉首相靖国神社参拝を支持し、それを批判する中国政府を内政干渉と逆に非難する伝統的保守陣営に対し、新幹線問題に代表されるように靖国問題が日本企業の経済活動にマイナスな影響を受けている中、本音では中国との関係改善を是とする経済保守陣営と利害が対立する。経済界が首相の靖国参拝の自粛を求めないのは、日本において伝統的保守層のボリュームが無視できず、「利益重視の売国奴」的なイメージを与えるとを恐れている訳である。
 そんな中、産経新聞は経済保守主義を基盤に、伝統的保守陣営の論客を組み込みながら発展(部数は伸びていないが……)してきた訳だが、最近では離反する問題においては矛盾する記事が出るなど歯切れが悪かった。
 久々に、経済保守と伝統的保守の利害が一致する話題が出て、嬉しさ余って大見出しでした。(他紙は報道せず)

  • *1…財界が経済的に保守主義(或いは新自由主義)の傾向を示すかと言えば、一概に言えず、伝統的規制産業を中心にむしろ保護主義(ある意味社会主義的)な傾向を示すケースも日本では多い。