無意根山へ

 だいぶ雪も解けてきたので久しぶりに登山に出かけた。目的地は定山渓の先にある無意根山。宝来沢沿いの林道を車の底をガリガリと擦りながら登り、登山道入口に車をとめた。しかし登山道の入口の小屋には台風による倒木により入山禁止との立て札がある。不安に思いつつ、1年前の台風など恐れても仕方ないと勇んで突入した。
 登山道入口の近くに2箇所の倒木があった以外は、特に困難もなく、途中からは大蛇ヶ原という高低差のほとんどない湿原が広がり、登山というよりハイキング気分で楽しめるコースである。しかし、全くハイカーに会わないのである。月曜日のせいか?それともやはり立入禁止なのか?しかし残雪にはくっきりと新しい足跡が無数にあり、昨日は多くのハイカーがここを歩いていたのであろう。登山開始から30分程で、宝来沢を覆う雪が抜け落ちないように枝で補強した渡し場に到着。ここを渡れば大蛇ヶ原湿原だ。

 大蛇ヶ原はまだ雪に覆われていたが、湿地の部分は雪が融け、水芭蕉の花が咲いている。6月中旬に水芭蕉が咲いているとは思わなかった。大蛇ヶ原が終わり少し山道を登ると、北海道大学無意根山尻小屋に着いた。ここで昼食。


 ここから無意根山山頂まで2.7㎞の道標があったが、目の前には壁のような急斜面、それもかなり雪が残っている。途中から傾斜がきつくなり、夏の装備では登るのは困難だ。それでも斜面にある草木にしがみ付きながら、なんとか尾根まで登りついた。しかし無常にもこには山頂まで2.1㎞という道標が。わずか600m進むのに1時間も費やし、時は既に3時。このまま山頂に行っては日没の危険があるので止むなく下山。しかし下山も厳しく、相当の時間を費やしてしまった。

 しかも雪で道がわかりずらくなっており、行けども行けども無意根山尻小屋が見えない。そのうち湿地に至り完全にルートを外れたことがわかった。あとは宝来沢の本流に沿って下れば間違いはないと思い、湿原を突っ切り、途中で目印の紙テープを見つけてなんとか湿原の入口の木の枝の橋まで戻ることが出来た。なんとか5時までに登山道入口まで戻る。
 沢で泥だらけのシューズとジーンズを洗って、車のヒータを全開にして乾かす。途中豊平峡温泉に寄って体を温める。この温泉は入浴料が1000円もして、同じ料金ならきれいな湯の花に行くことも考えたが、豊平峡の方がきたない格好でも気兼ないし、泉質がいいのでこっちにした。ついでにインドカレーを食べて帰路に着いた。