Sapio 7/13号

 何やかんや文句を言いつつ愛読しているサピオですが、また反中ネタ。

 中国ビジネスがリスクがあるのは周知の通りで、それを冷静に述べた論文もある一方、単なるアジテーションの粋を出ないものもありお粗末。中国ビジネスは生産拠点としての中国と、消費国としての中国も二つのモデルを分けて考えなかればならない。単に安価な労働力を求めて中国に進出した2003年以前のユニクロモデルの中国ビジネスであれば、中国への一極集中はリスクが高く、分散を考えるのは真っ当だ。しかし消費国中国を見越した中国モデルは安易に撤退すべきではない。既に中国市場を無視して世界市場は語れないレベルに達しているのである。
 多くの日本企業が今なお中国への投資を続けるのはその辺を考えての行動であって、サピオ御用達のジャーナリストはその辺が見えていない人が多い。経済界の媚中姿勢に焦りを感じているのであろうが、私はむしろ反日運動にめげずに対中ビジネスの最前線で戦っているジャパニーズ・ビジネスマンを誇りに思うし、くだらないアジテーション記事を書いているジャーナリストを軽蔑する。



【参考までに】反日感情悪化でも対中投資維持・拡大…主要企業アンケート(読売新聞)

 読売新聞社は26日、全国の主要企業100社を対象にした景気アンケート(6月調査)の
結果をまとめた。景気の「踊り場」が長引く中で、企業の景況感はやや改善した。一
方、中国市場に対して、対日感情の悪化にもかかわらず、日本企業の投資意欲が衰え
ていないことがわかった。
 中国での反日デモや日本商品の不買運動の発生に伴う自社の対中投資への影響を聞い
たところ、「投資などは維持」と回答した企業が36社と最も多く、「投資拡大を継続」
も21社あった。「今後投資を縮小する」はゼロで、成長を続ける中国への投資に、大
企業が引き続き前向きであることを示した。
 ただ、中国市場に取り組む姿勢については、「中国市場のリスク拡大を考慮し、他の
アジア地域とのバランスを重視」が32社、「現地のリスク管理を強化」と答えたとこ
ろも14社あり、企業は中国ビジネスに伴うリスクにも敏感になっていることをうかが
わせた。