嗤う日本の「ナショナリズム」

嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)

嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)

実はこの本は最近読んだ。私のブログを見て、北田暁大氏の影響を指摘された方がおられたが、全くの偶然である。私もこの本は私の最近の興味の中心であったナショナリズムについて考えるために呼んだのだが、ナショナリズムに関して期待して買った方は拍子抜けであろう。この本は東浩紀氏の言うとおり80年代本である。
 私のブログの大部分は日記とネットウヨ批判で、たまに芸能ネタを入れるのだが、その内容から読者が北田氏の影響を指摘するのも無理はない。私自身、親和性が高いのに驚く。同じ1971年生まれという時代性であろうが、私がタメの人間と話してもここまで同じような影響を受けた人間はいない。東浩紀氏も同学年であるが、美少女ゲームなどの90年代のカルチャーの影響を受けていない私は彼には少し違和感がある。80年代の高度消費社会におけるマスメディアによるギョーカイの影響を受けそれを引きずり、90年代のカルチャーから隔離され*1たまま2000年代に突入した北田氏は現在の20年代以下の若者のナショナリズム的な傾向には付いていけないという感覚はまさに私と共通する。

*1:この本では不思議なくらいに90年代に触れられていない