読書

若者殺しの時代 (講談社現代新書) 堀井憲一郎著

てっきり90年代に若者の新しい生き方としてのフリーターの地位に納まり、現在高齢低賃金労働者として産業界に都合のいい奴隷として活躍されている可哀相な30年代前半のお話かと思ったら、だいぶ違った。 内容的には第1章の「一杯のかけそば」の話と第2章の「…

愛国者は信用できるか−鈴木邦男−

非常にいい書物だ。40年以上右翼をやってきた人物だけに重みがある。 ネットに巣食う嫌中厨、嫌韓厨、むやみに敵地攻撃を叫ぶ連中が軽薄なのは言わずもがなだが、国民への愛国心の強要に躍起になる小役人。過激な見出しを並べれば雑誌が売れると薄っぺらな暴…

「分かりやすさ」の罠―アイロニカルな批評宣言 (ちくま新書)

小泉政治に辟易し、思考停止状態で小泉政治への親和性を強める若者に危機感を抱いている私が、こういう書物に惹かれるのは宿命であったが、少し甘かった。 特に80年代以前に左翼経験が在り、昨年の小泉自民党圧勝に危機感を抱いた識者にはカウンターパンチの…

ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて

ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて (新潮新書)作者: 松尾理也出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/03メディア: 新書購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (24件) を見る 雪のため飛行機の出発が40分遅れ、千歳空港と機内で読んだ本。 紀行…

魂の労働

魂の労働―ネオリベラリズムの権力論作者: 渋谷望出版社/メーカー: 青土社発売日: 2003/10/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 88回この商品を含むブログ (94件) を見る 著者の渋谷望氏は映画や音楽に造詣が深く、この著作の後半で、それらの知識を織り込…

「かわいい」論

「かわいい」論 (ちくま新書)作者: 四方田犬彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/01/01メディア: 新書購入: 5人 クリック: 156回この商品を含むブログ (136件) を見る 出たての本をチェック。 著者も言っているが、九鬼周造の「いきの構造」のような日…

安心のファシズム(斎藤貴男著)

安心のファシズム―支配されたがる人びと (岩波新書)作者: 斎藤貴男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/07/21メディア: 新書購入: 3人 クリック: 37回この商品を含むブログ (70件) を見る 私は1年ぐらい前に「生活安全主義」というエントリーを書いたが、…

責任は誰にあるのか

「責任」はだれにあるのか (PHP新書)作者: 小浜逸郎出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2005/10/15メディア: 新書購入: 5人 クリック: 49回この商品を含むブログ (19件) を見る 福知山線脱線事故の際の読売新聞の記者のJR西日本の責任追及に違和感を覚えた人…

反日と反中

反日と反中 (集英社新書)作者: 横山宏章出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/08/17メディア: 新書 クリック: 6回この商品を含むブログ (9件) を見る 今日的問題を今という瞬間的問題やせいぜい第2次世界大戦での加害、被害という論点でものを言う言論が多い…

カーニヴァル化する社会

カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)作者: 鈴木謙介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/05/19メディア: 新書購入: 14人 クリック: 316回この商品を含むブログ (323件) を見る 2ちゃんねるに代表される現代のネット社会の潮流を語った面では、北田暁大…

靖国問題

靖国問題 (ちくま新書)作者: 高橋哲哉出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/04/01メディア: 新書 クリック: 75回この商品を含むブログ (246件) を見る 結論から言えば著者は反靖国派なのだが、靖国についての歴史的な議論の積み重ねの上に現在の問題を構築…

嗤う日本の「ナショナリズム」

嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)作者: 北田暁大出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2005/02/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 202回この商品を含むブログ (326件) を見る 実はこの本は最近読んだ。私のブログを見て、北田暁…