国民は本当は2大政党制を望んでいないのではないか?

 今回の民意は2大政党制度を否定したとの意見もある。政治評論家の福岡政行氏は、次の選挙で大きな揺り戻しがある等と言って2大政党時代継続を言っているが、ここまで勢力に差が出るともはや空論であろう。2大政党否定論には改革的な側面と保守的な側面の2面制が存在する。改革的な側面は国会運営に何ら支障のない強い政権政党が、改革に邁進して欲しいという願望である。独裁的で何が起こるか判らないというリスクに目をつぶってでもとにかく前進あるのみという考えである。都市部の若年層の考えの多くはこれに当る。海外のメディアから見ると、この発想はアジア的とか中国的と理解されるようで、民主主義のわずらわしさやスピードの遅さ嫌悪し、党が国民を引っ張る中国共産党の姿にだぶるようである。日本は1党独裁な訳でないのでかなり違うのだが…。
 一方保守的な側面は、55年体制回帰論である。やはり自民党が安心という旧来型保守層の意見と、共産党の言う「確かな野党」みたいな野党番犬論である。旧来左翼的な立場の人間には政権可能な保守2大政党ができるぐらいなら、万年野党でも従来の左翼的な政策を堅持して欲しいという意見があるのも事実である。