小選挙区制度でいいのか?

 90年代前半に巻き起こった政治改革議論の中で生まれたのが小選挙区制度である。政権交代可能な2大政党が政策を競い合うことによって日本の政治風土が変わると考えが根底にあり、多くの政治家もマスコミもこの議論に同調し今のシステムが出来上がった訳である。この当時も郵政にYesかNoかと同種の、小選挙区制度に賛成する議員が改革派で反対する議員が守旧派であるかのようなレッテル貼りがマスコミ主導で行われ、私はこの議論に激しく嫌悪感を持ったため、当時私も小選挙区制度導入には反対の意見であった。小泉首相が当時小選挙区制度導入に反対の立場で、マスコミに守旧派のレッテルを貼られていたのは有名な話である。いかにマスコミがいい加減なデマゴーグかよくわかるであろう。
 それはともかく、2大政党制度に対する国民の期待がないのであれば、小選挙区制度を維持する意味はない。小選挙区制度は今回の選挙結果でわかるように、選挙結果が実際の投票率より極端に出る。それは多数派をより多数派にし、議会でのリーダーシップを発揮しやすくする効果はあるのだが、常に与党である政党が固定化する状況にもなりかねない。もし本当に国民が2大政党制を望まず、多様な意見を持つ他党分立を望むのであれば、比例代表制度を中心に改めるべきである。