小党分立の難

 55年体制のように小党分立の方が細かい民意を拾えるのは確かだ。ただ常に自民党過半数を取っているならまだしも、過半数割れを起した場合に、連立が行われる。自公連立がそうであったように、この連立工作は選挙後に密室で行われ、有権者の意を介さない政権が誕生する可能性が高い。それを考えると、選挙で政権与党と首相が決まる小選挙区制度による2大政党制度の方が優れているとも言える。私も元々は小選挙区制度反対であったが、2003年以降の2大政党時代はけっこう面白かったと思っている。自民党だって、もしかしたら民主党に政権を奪われるかも知れないという緊迫感があったからこそ改革の議論が起こった訳であるし、今回の選挙も小泉自民が勝つとわかりつつも、仮にも政権選択選挙に成り得た訳である。