馬脚を顕した小泉支持者
私は1/5に「id:kechack:20060105:p1=小泉支持者は何処に?姿の見えないサイレントマジョリティー」でブログ界で小泉首相を支持するエントリーが消えてしまった*1 不思議について書いた。皮肉なことに耐震偽装問題、ライブドア事件、アメリカ産牛肉危険部位混入問題、防衛施設庁官製談合問題と、小泉政権を揺るがす問題が相次いで発覚して以降、実は眠っていた小泉支持者がまた声を上げ始めたのである。
それは民主党批判、マスコミ批判、検察批判をしているエントリーを探せばわかる。彼らは直接的には小泉首相を賛美する声を並べてはいないものも多いが、これらのブロガーの昨年の8月から9月のエントリーを遡ると、ほとんどがエントリーで小泉自民党を支持する言葉を含んでいる。紛れもなく潜在的小泉支持者の声である。
小泉支持者のぬるさ
彼らが今でも小泉首相とその内閣が行っている改革を支持する姿勢を貫くことは、掌返しに態度を変える有権者よりは立派だと思う。しかし気になるのはその「ぬるさ」である。
中川農水相や額賀防衛庁長官の辞任を求める野党への批判エントリーも目立つ。
私もアメリカ産牛肉危険部位混入問題で中川農水相が辞めろとか、防衛施設庁官製談合問題でが辞めればいいという単純な議論には多いに疑問である。しかし中川農水相の答弁は明らかにお粗末で国民の信頼を損なうものであり、擁護の余地はない。額賀防衛庁長官もなぜ7年前に同じ職を辞任する羽目になったのか、そして今回は辞任を回避できそうなのだが、何が違うのか考えなければならない。
小泉マジックのずるさ
官僚の汚職は、当然のこととして行政庁の長である大臣の責任である。大臣は当然のこととして監督責任を問われるのであるが、小泉首相は官僚を批判することによって官僚組織と内閣のイメージ分断に成功し、国民は官僚の汚職を内閣の責任と思わなくなってしまった。これこそ小泉マジックである。しかし額賀防衛庁長官が7年前に今回と同じような官僚の汚職で辞任に追い込まれ、今回までいったい何をやっていたのか?額賀長官一人の責任ではないが、小泉政権5年間の歴代長官は一体何をやって来たのか?官僚組織なぞ自浄できる組織でないのだから、政治が何もやらなかった以外の何ものでもない。官僚組織と内閣を分断した小泉マジックに騙されて許容する雰囲気が嘆かわしい。
正しい野党批判
小泉支持エントリーを探す最もいいキーワードが実は「民主党」である。55年体制の時代は社会党の根本的主義主張を批判する意見はあっても、自民党の不祥事を追求する社会党を批判する声は出なかった。しかし現在では民主党を批判するエントリーが多いのである。
私も民主党が一貫して追及型に固執したら批判するつもりだ、しかし現在は追及が必要な段階である。自民党がきちんと説明していない段階で、野党が追及をしなかったらむしろ「馴れ合い」と批判するのがスジである。「野党は追求ばかりしないで建設的意見を出せ」という意見はもっともらしいが、正しい原因が明らかになっていない段階で解決策や対案を出しても仕方ない。それはこれまで散々、議論のすり替え*2によりトンチンカンな解決策が提示され*3、私自身も騙されてきた反省の上の意見である。
現段階で野党を「揚げ足取り」と批判しているのは、始めから小泉自民党への擁護の意図と言わざるを得ない。